日本も含めて、高血圧の基準は140/90mmHgというのがこれまでの常識でした。

しかし、近年行われたSPRINT試験という研究で、さらに厳しい目標で降圧した方が心血管疾患を予防できるという知見が得られたことから、アメリカ心臓協会とアメリカ心臓病学会は2017年版のガイドラインで、高血圧の基準を130/80mmHgに見直しました。

この基準ではアメリカ国民の2人に1人が高血圧に当てはまるため大きな反響を呼んでいます。

とはいえ、全員が血圧の薬を飲むよういわれているわけではありません。

減塩食、節酒のような生活改善をこれまでより早期から始めるよう推奨されています。

薬物療法については、多くの場合で複数のクラスの薬剤を併用する必要があると指摘しています。

サイアザイド利尿薬が第一選択に挙げられているのは世界的な医療費抑制の流れでしょう。安いですから患者さんの負担軽減のために当院でも使う機会が増えている薬です。