西岡医院

2020年のスギ花粉は、例年の平均と比較して3割程度でした。皆さんがマスクをしていることもあり、症状が軽かった方が多いのではないでしょうか。

残念ながら今年は、昨年と比較して全国的に飛散量が多い傾向です。

西岡医院でも、1月下旬あたりから鼻水、くしゃみ、眼のかゆみといった症状の方が増えてきています。

目薬、鼻薬を効果的に使いつつ、眠くなりにくい内服薬を早めに始めておくのが春を快適に乗り切るコツですね。

2020年11月8日　高崎市の日曜当番医(内科)です。

午前9時より午後6時まで診療を行います。

駐車場は15台ございます。

当ホームページのマップをご覧いただければ幸いです。

風邪症状の患者さんは、駐車場のお車に伺って診察いたします。院内に入らずにお電話またはインターホンにてご連絡ください。

お気をつけて受診ください。

サージカルマスク　　　　　220円／5枚

パルスオキシメーター　　　3300円
(血中酸素飽和度測定器)　

電子体温計　　　　　　　　1100円

価格は全て税込みです。受付までお声掛けください。

インフルエンザワクチン接種を開始いたします。

税込み3500円です。65歳以上の群馬県民の方は自己負担無料です。

お気軽にお問合せください。

2020年8月13日(木)より16日(日)まで、お盆休みにより休診です。

インフルエンザでは当院近くの長野小学校でも学級閉鎖が始まりました。高崎医師会集計では高崎市内で週700人以上の患者数のようです。

特に受験生は、早めのワクチンをお勧めします。近隣医療機関では接種終了したところが多いようです。当院の在庫も減ってまいりました。

12月1日から7日の1週間で、高崎市のインフルエンザ受診報告は200人を突破しました。

六郷小学校、北部小学校、佐野小学校、豊岡小学校などで学級閉鎖がはじまっており、本格的流行が迫っています。

ワクチン接種を検討している方は早めの接種をおすすめします。

12月9日時点でワクチン在庫はございます。当日接種も対応可能です。税込み3500円です。

2019年12月1日は高崎市医師会の休日内科当番医です。
午前9時より午後6時まで診療を行います。
当番医の日は予約はできません。
駐車場は15台ございます。
当ホームページのマップをご覧いただければ幸いです。 ⇒ 当院へのアクセス

お気をつけて受診ください。

2019年10月22日は即位礼正殿の儀の祝日のため休診とさせていただきます

巨大台風が接近しております。10月12日の診療は通常通り行っていますが、30分ほど繰り上げて終了する見込みです。

インフルエンザは高崎ではまだ流行前ですが、前橋市や東京などでは既に一定の感染者が発生しています。

西岡医院では10月11日(金)からワクチン接種を開始いたします。

価格は税込み3500円です。

10月、11月は供給が安定しないため、在庫確認のために来院前にお電話いただけるとありがたいです。

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【西岡医院】
内科、呼吸器内科アレルギー診療
睡眠時無呼吸(自宅検査可能)
Tel　027－344-2252
群馬県高崎市浜川町1935
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8月の暑さのために熱中症のなる患者さんが連日いらっしゃいました。点滴やクーリングを要する方も何人もお越しでした。

頭痛、だるさ、ふらつき、筋肉痛など初期症状は様々で、熱中症であると気づかれない方も多いです。

ご高齢の方については屋内でも容易に熱中症となるためエアコンの利用をお勧めします。

2019年のお盆の休診予定は以下のようになります。

8月10日（土）午前のみ診療
8月11日（日）から15日（木）　休診

8月16日（金）より通常診療

8月1日より院外調剤とさせていただきました。隣にさくら調剤薬局さんの営業も開始していますが、処方箋自体はどこの薬局でも使用可能です。

多くの患者さんにお越しいただき、その分それぞれの方に必要な薬剤の種類が増えたことが理由です。

例えば喘息の吸入薬についても、日進月歩で様々なデバイス、成分が登場しており院内にすべてそろえることは不可能なのが実情です。

院内での処方が必要な薬剤(ED、AGA治療薬や舌下免疫療法の初回投与)については引き続き院内調剤とし、患者さんの利便性の確保に努めてまいります。これからもよろしくお願いいたします。

2019年7月7日は高崎市医師会の休日内科当番医です。
午前9時より午後6時まで診療を行います。
当番医の日は予約はできません。
駐車場は12台ございます。
当番医の際はどうしても待ち時間が長くなってしまうと予想されます。
窓口が混雑いたしますので、お電話での道案内は致しかねます。
当ホームページのマップをご覧いただければ幸いです。 ⇒ 当院へのアクセス

高崎市では当院以外の 内科当番医 は、
井草医院様 　 高崎市天神町１３６　　Tel 027-362-2833
二之沢病院様　高崎市足門町１４２−１　　　Tel 0​2​7​-​3​7​3​-​22​1​5

外科当番医は、
昭和病院様　高崎市綿貫町1341　　Tel 0​2​7​-​3​47​-1171

小児科当番医は、
乾小児科内科医院様　群馬県高崎市宮元町２０７　　Tel 0​2​7​-​3​22​-​3252
高崎市夜間休日急病診療所 (午前のみ)　高崎市高松町５－２８　高崎市総合保健センター1階　　Tel 027-381-6119

耳鼻咽喉科当番医は、
赤沢耳鼻咽喉科医院様　前橋市城東町5-8-4　　　Tel 0​2​7​-​232​-​7691

2019年6月23日、第9回呼吸循環セミナー＠ニューサンピア高崎にて講演を行いました。

『実地医科が取り組む睡眠時無呼吸症候群』というテーマで主に検査技師さん達向けにお話しをいたしましたが、以外と他の医療機関でCPAPを行っている患者さんもお越しでした。

このような講演の内容については、いずれ整理して院内待合で閲覧できるようにしていきたいと思います。

当院の看護師さんである中澤真弥さんが4作目の著書を出版されました。

消化器のケアの基礎知識が学べる、看護学生さんだけでなく一般の方も為になる本です。これまでの3作といっしょに、西岡医院の待合室にも備え付けています。

スギ花粉症に対する舌下免疫療法は花粉症シーズンには新規開始ができないのですが、5月より晴れて開始可能となりました。

これまではスギ花粉エキスのシダトレンが使われておりましたが、錠剤タイプのシダキュアの長期処方が始まったため順次切り替えております。

シダキュアのシダトレンに対する利点としては、
内服するときに口の中に入れておく時間が2分間⇒1分間に短縮された
冷蔵庫保管しなくてよい
治療効果の上乗せ(含有スギ花粉量が2000JAU⇒5000JAUにアップ)

の3点があげられます。

舌下免疫療法はご家族みんなで受けている方も多いため、シダトレン液が冷蔵庫を圧迫してしまうことがありましたがこれからは容量を気にしなくてよくなりますね。

2019年4月13日、14日に、東京で行われた呼吸器学会総会に参加してまいりました。

2018年、2019年は学会ガイドライン改定が相次いだ節目の年であり、喘息、COPDなどについて知識のアップデートをできたかな、と思います。

群馬県内の先生方も喘息の話題を中心に盛んに発表されておりました。

睡眠時無呼吸症候群があると、夜間に体が低酸素に陥ることにより交感神経にストレスがかかり、長年の間には高血圧のリスクが2倍まで上昇することが知られています。

CPAPにより無呼吸を治療すると高血圧にも有効であることは経験的に知られていますが、実際に大規模研究でもその効果は検証されています。

スペインで行われた高血圧と無呼吸症候群を合併した340人を対象とした3年間の研究です。CPAP療法を行った群と行わなかった群では統計学的に有意な差をもって高血圧が改善したということです。

Continuous positive airway pressure as treatment for systemic hypertension in people with obstructive sleep apnoea: randomised controlled trial

2018年後半以来、風疹の患者発生数が増加傾向です。

妊娠中の女性が感染した場合に早産、流産、先天性風疹症候群の危険がありますので、社会全体で予防していく必要があります。

1962年4月2日から1979年4月1日に生まれた男性は小児期にワクチン接種していないため、2021年度末までは抗体検査が無料で実施できます。高崎市から届く検査用の用紙をお持ちになって受診してください。

2019年3月、群馬県の保健師さん向けに睡眠時無呼吸症候群についての講習会を行いました。

保健師さんが様々な会社に出向いて指導される際に、睡眠時無呼吸症候群が疑われる患者さんにどのようにアドバイスするかというお話をさせていただきました。

無呼吸症候群の方は意外と自覚症状の乏しい方も多く、受診につながっていないことがあります。多忙な患者さんに対して医療機関側もアクセスよく受け入れていくことが大事だと感じました。

睡眠時無呼吸症候群を診断するためには、簡易型ポリソムノグラフィと精密ポリソムノグラフィの2つの検査を行います。

簡易型を行っている医療機関は多くありますが、精密検査を行っているところは限られるのが現状です。

2018年1月1日から12月31日までの1年間を集計したところ、西岡医院の検査件数は

簡易ポリソムノグラフィ　　245件

精密ポリソムノグラフィ　　53件

でした。簡易検査件数は県内一位、精密検査件数は前橋日赤病院に次いで県内二位と思われます。

外来でワンストップで検査から治療まで完結できる利便性をこれからも維持してまいります。お気軽にご相談ください。

2017年4月に代替わりして、丸2年が経ちました。

地域の生活習慣病や風邪の患者さん、遠方からもお越しいただいている喘息などの呼吸器疾患、睡眠時無呼吸症候群の患者さんに幸いご好評をいただいておりますが、さらに円滑な診療を目指してスタッフ一同精進してまいります。

スギ花粉はいよいよ本格的飛散が始まりつつあります。外出中に吸い込んだり、窓から家に入ってきたりと様々な経路がありますが、服について持ち込んでしまう量は意外と多いようです。
花粉の飛散時期の気候を再現した実験室内に静電気を発生させた衣類を着用したマネキンを置き、衣類に付着した花粉の数を数えたところ、ウールセーターやポリエステルフリース1枚に付着した花粉は約10万個であり、1時間の換気で窓から侵入する花粉数より、6倍も多かったということです。

綿や麻の素材は静電気が発生しにくいため花粉が付きにくいです。花粉症が重い方は、この時期は服の素材に気を付けてみてはいかがでしょうか。

1月末頃から、『もう花粉が飛んでいる気がします』とおっしゃる患者さんが増えてきました。

スギ花粉の本格的な飛散は2月中旬頃からと予想されていますが、すでに少量の花粉は飛んでいるようです。

今年はスギ花粉の量は例年の平均より多めと予報されていますが、どうも飛散のピークも早まりそうです。

関東のピークは3月上旬からですが、例年よりピークが長く4月上旬まで1か月程度続きそうということです。

眠くなりにくい内服薬、点鼻薬、点眼薬などでつらい症状には早目に対処したいものです。

2019年1月25日現在、西岡医院の前の道路が工事中です。1週間程度の見込みです。

医院への出入りは問題ありません。交互通行のため道が渋滞しますので、来院される際は交通事故にご注意ください。

高崎市医師会の集計によると、直近の1週間で市内のインフルエンザ患者数は3600人余りとなっています。

前週は2500人ほどでしたから、さらなる増加です。おそらくここ1－2週間が流行のピークになるでしょう。

ちょっとした買い物などでもマスク、うがい、手洗いをお忘れなく。

日本気象協会による予報が発表されました。

今年のスギ花粉の飛散量は、例年をやや上回るということです。

群馬県では2月中旬から飛散が始まり、3月上旬、中旬にピークを迎えます。

当院でも舌下免疫療法などで事前の備えをしている患者さんが多いです。

点鼻、点眼、内服薬を症状の強さに合わせて使用して、わずらわしさのない春を過ごしたいものですね。

JR東船橋駅でオーバーラン　運転士、無呼吸症と診断

1月8日、千葉県のJR東船橋駅で、電車のオーバーランが発生したとのことです。50歳代の運転士は睡眠時無呼吸症候群（SAS）の簡易検査で「要経過観察」と診断されており、「一時的に睡魔に襲われた」と話しているとのことです。

睡眠時無呼吸症候群では運転中の突然の眠気のため、居眠り運転が増えることが知られています。

交通事故を起こす危険が7倍程度に増えたという報告があり、特に物流業界に従事する方や長距離通勤する方には注意が必要です。

簡易検査の場合は曜日を問わず初診当日に実施可能です。気になる方はぜひ気軽にご相談ください。
眠時無呼吸症候睡眠時無呼吸症候

高崎市医師会の集計では、1月6日から12日の1週間のインフルエンザ患者数の合計は2500人を突破しました。

昨年の冬のピーク時の人数にほぼ達しており、今がまさにピークかと思われます。

連休中は休日当番医の医療機関にも殺到したようで、待ち時間は3時間以上に達していたそうです。

ちょっとした買い物でも、マスクと手洗いで予防に気を付けてください。

厚生労働省の発表によりますと、年末1週間の１医療機関あたりのインフルエンザ患者数は注意報レベルを上回ったということです。当院でも既に何人も患者さんが受診されています。

今年はA型が多く、高熱が出やすいのが特徴です。

治療薬のほうでは新薬のゾフルーザが出たため、1回の内服のみで治療が完結するため利便性が向上し、飲み忘れが減ると思われます。

発症早期の服用が有効ですので、熱があれば早めの検査をお勧めします。

1月1日の当番医では、1日で108人の患者さんが受診されました。

そのうち実に50人以上がインフルエンザであり、その全員がA型でした。

38度以上の発熱の方が多く、だるさが強くなりがちです。中にはワクチンを打っていたのにかかってしまうこともありますので、買い物など人ごみに出る際にはマスクをお使いください。

2019年1月1日休日内科当番医です。
午前9時より午後6時までが診療時間です。
当番医の日は予約はできません。
駐車場は約20台ございます。
スタッフ一同全力で診療しますが、インフルエンザが流行しておりますので待ち時間が長くなってしまうと予想されます。
窓口が混雑いたしますので、お電話での道案内は致しかねます。
当ホームページのマップをご覧いただければ幸いです。 ⇒ 当院へのアクセス

高崎市では当院以外の 内科当番医 は、
井草医院様 　 高崎市天神町１３６　　Tel 027-362-2833
桐山クリニック様 　高崎市末広町２３５－８　　Tel 027-310-1234
関越中央病院様　高​崎​市​北​原​町​７１　　　Tel 0​2​7​-​3​7​3​-​5​1​1​5

外科当番医は、
第一病院様　高​崎​市​下​小​鳥​町​１２７７　　Tel 0​2​7​-​3​6​2​-​1​8​1​1

小児科当番医 は、
重田こども・アレルギークリニック様 　高​崎​市​島​野​町​１４１８　　Tel 0​2​7​-​3​5​0​-​1​7​0​0
高崎市夜間休日急病診療所 (午前のみ)　高崎市高松町５－２８　高崎市総合保健センター1階　　Tel 027-381-6119

耳鼻咽喉科当番医は、
つれいし耳鼻咽喉科様　高​崎​市​上​小​塙​町​５８４　　　Tel 0​2​7​-​3​4​3​-​2​1​3​1

インフルエンザの流行が始まっています。
高崎市の休日当番医では、十数名のインフルエンザ患者さんが受診されているようです。

ワクチン接種の機会を逃していた方は、年内の接種をお勧めします。

希望される方はお電話でお問い合わせください。税込3500円です。

厚生労働省によると全国の定点医療機関からの報告患者数の平均が、流行の目安を超えたとのことです。

ワクチンを接種してから効果が出るまでは2週間程度かかるため、年末年始に備えるには12月中旬のうちに接種するのが望ましいです。

2018年12月29日（土）まで　通常通りの診療です。

12月30日（日）より1月3日（木）まで　休診とさせていただきます。
元旦は休日当番医ですが、通常の診療はお休みです。

1月4日（金）より通常通りの診療ですが、4日、5日は混雑が予想されます。

西岡医院東側で、道路工事を行っています。

前橋安中線でお越しの場合は関係ありませんが、市内方面よりお越しの方は小池整形外科様、高崎トーヨー住器様前の道からお越しいただくとスムーズです。

高崎市内のある高校で、インフルエンザの流行が発生しております。
医師会からの連絡および生徒さんに直接伺ったところでは、複数の学年、複数の部活にわたって患者さんが急増しているということです。

西岡医院でも今週すでに3人の患者さんが発生しました。本格的な流行が迫っていることを実感します。

インフルエンザワクチンは接種後に効果がでるまで半月程度かかります。早めの接種をお勧めします。

11月28日時点では在庫がございますので、ご希望の方はお電話にてお問い合わせください。

群馬大学病院で、呼吸器アレルギー内科の県内の医師による論文抄読会を行っています。

昨夜の会では、本庶博士のノーベル医学賞受賞で話題となっているオプジーボとインフルエンザワクチンの関係について取り上げられました。

https://www.ejcancer.com/article/S0959-8049(18)31382-0/fulltext

オプジーボのような癌免疫療法では、免疫系への影響から様々な合併症を生じることが知られています。

下痢、皮膚障害などの従来の化学療法でもみられた副作用に加えて、糖尿病や甲状腺機能障害などの特徴的な副作用も報告されています。

インフルエンザワクチンも人体の免疫に作用するため、これがオプジーボの副作用を増強しないかということが心配されてました。

上記の論文では、ワクチンの接種の有無でオプジーボの副作用は統計的に有意な変化をしなかったということです。癌を治療している方ではワクチンの必要性が高いので、一安心の結果といえます。

睡眠時無呼吸症候群の治療であるCPAPは、機械により鼻から空気を送り込む仕組みです。

群馬の冬は寒く乾燥しているため、この時期になると

『朝になるとノドが乾燥してイガイガする』

『鼻が冷たくて眠れない』

といった声が上がります。

そのまま我慢していては大変です。幸い、追加の料金は不要で対策の器具があります。

上の写真が元々のCPAP。

機械横の透明なタンクが加湿器で、風に湿り気を与えてくれます。
チューブも空気の過熱のための金属線が入っており、鼻が冷たくなりません。

上記はRESMED社のCPAPですが、他社の装置でも同様なオプションがございます。

今年もインフルエンザの感染者が発生し始めました。

高崎市でも、1週間で7名の患者さんが出たそうです。

インフルエンザワクチンはすでに受付しておりますが、接種してから免疫がつくまで2週間程度かかります。ご希望の方はお早目にお問い合わせください。

睡眠時無呼吸症候群の治療はCPAPが用いられています。
鼻のマスクから空気を吹き込むことで、無呼吸を効果的に抑制して睡眠の質を高めてくれます。

ただ、これまでのCPAPの問題点として携帯性の低さがありました。
出張が多い方や職場の夜勤の仮眠が多い方では、小さい器械でないと出先で使うことができません。

日本のメーカーが開発したJPAPという器械が最近登場しています。これは360gという軽さであり、従来の装置の3分の1程度です。

出張が多いという睡眠時無呼吸症候群の患者さんに今月導入していただきましたが、代理店によると群馬県内では当院が初めてということです。

医療費は従来のものと同様で、再診料込みでひと月あたり4000円強です。（3割負担の場合）
従来のCPAPが優れている点もありますが、患者さんにとっての選択肢が増えるというのは歓迎すべきことと思います。

西岡医院では、常勤の医療事務さんを募集しております。常勤の事務さん二人体制となります。
詳細は下記をご覧ください。

雇用形態　常勤の方 勤務内容　医療事務、受付、会計、レセプト処理、簡単な清掃

　　　　　経験のある方は優遇いたします

　　　　　社会保険完備

勤務時間　月火水金　8:45~18:15　　木土　8:45~12:45　　年2回ほど休日当番医

和気藹々とした職場です。職場環境改善や復職支援にも力を入れており、昨年は職員さんの取材でNHKのTV撮影を受けています。　(2017年9月15日　金曜イチから） レセプト時期以外は残業はほとんどありません。ブランク明け、育児中などの方もご相談ください。

昼休みの12:45~14:45、終業後の18:15~20:00頃にご連絡いただけるとありがたいです。

Tel　027-344-2252

平成30年10月8日　院長　西岡正樹

高崎医師会による集計では、9月に入り1週間で2人程度、市内でインフルエンザの発生がみられているようです。

人込みではマスクを使うなど、今から予防をしていただければと思います。

パリで欧州呼吸器学会が開かれています。今年も多数の演題が発表されており、睡眠時無呼吸症候群関連でも大規模な研究の報告がありました。

欧州における睡眠時無呼吸症候群の患者数は1億7500万人に上ると推計されています。特に、しっかりした治療を要する中等症以上の無呼吸の方は9000万人程度といわれています。

主任研究者による指摘としては、
薬剤抵抗性高血圧患者の83%が睡眠時無呼吸症を患っている
肥満症患者の77%
慢性心不全患者の76%
2型糖尿病患者の72%
脳卒中の病歴を持つ患者の62%
心房細動患者の49%
これら症状や、いびき、日中の眠気、夜間頻尿などは睡眠時無呼吸症と強く関連しています。

10月1日からのたばこ増税により、20本入り1箱あたり30－40円程度の値上げが見込まれます。

銘柄によっては1箱500円を超えるため、心理的にも高さを実感しやすいところ。

それもあってか、今月に入ってから禁煙外来をご希望される方が増えていることを自覚しています。

こちらのページに記載しておりますが、3か月間の内服治療により自力だけに比較すれば禁煙の成功率を高めることが可能です。

家計のためにも健康のためにも禁煙をご検討いただければ幸いです。

当院の看護師さんであり、ライターとしても活躍されている中澤真弥さんは『口腔ケア』についての著書を執筆されていますが、新たに『排泄ケア』についてわかりやすい著書を発表されました。今週の上毛新聞で内容が記事になりました。

前著に続いて、看護師さんや看護学生さんを主な対象としていますが排泄に問題を抱えるご家族を介護している方にも是非お読みいただければと思います。

全国的に問題になっている風疹の流行ですが、高崎市内でも若い男性の患者が一名発生したことがわかりました。

特効薬は存在せず、感染予防のためにはワクチンの早期接種が勧められます。ご希望の方はお電話にてお問い合わせください。

月1回、群馬大学病院で行われる論文抄読会に参加してまいりました。

今回は前橋赤十字病院の先生による感染症の症例報告と、桐生厚生総合病院の先生による免疫学の論文解説でした。

日赤の症例はペットの猫からの感染による重症肺炎であり、まれな疾患ですが頭に留めておく必要がある興味深いお話が聞けました。

風疹の感染者が増加しており、昨日は国立感染症研究所による緊急情報が出ました。

風疹は咳による飛沫で感染し、発熱とともに皮膚に赤い発疹が生じます。妊娠20週までの妊婦では、胎児に眼、耳、心臓に障害が生じる先天性風疹症候群の危険があります。2012年の流行の際には45人の先天性風疹症候群が報告されました。
治療薬はないためワクチンによる予防が重要です。

妊婦の予防は特に重要ですが、妊娠中は風疹ワクチンの接種は受けられず、受けた後は 2か月間妊娠を避ける必要があります。妊娠を計画したら、事前に2回の風疹含有ワクチンを受けておくことをお勧めします。

30代から50代の男性では接種歴のない方が多く、接種していても長年を経て免疫が低下している場合があります。

従って、

○ワクチン接種が特に強く推奨される方
30－50代男性で、風疹にかかったことがなくワクチン接種歴も不明の方
妊娠適齢期の女性
妊娠を控えた女性の同居親族の方

○ワクチン接種ができない方
妊娠中の女性
2か月以内に妊娠を希望している女性

風疹の混合ワクチンであるMRワクチンは当院でも可能ですが在庫には限りがありますので、ご希望の方はお問い合わせください。

睡眠時無呼吸症候群では寝苦しい夏に症状が悪化する方が多いです。

当院に通院している患者さん達の中でも、夏は一年で最も無呼吸指数が悪化しやすい傾向があります。寝苦しさのため、マスク装着やマウスピース装着がおおごとになりがち。エアコンを使用しながらで装着していただいています。

暑さが一段落すると、無呼吸検査も行いやすくなります。お気軽にご相談ください。

気管支喘息の患者さんは気圧や湿度の変動に弱く、台風の通過するときは発作を起こしてしまうことがあります。

今回の台風でも発作に至った方が多く、本日は何人か調子を崩して見えられました。

吸入ステロイドの定期使用が喘息の治療のキホンですが、調子の悪いときには発作止めの気管支拡張薬を屯用します。

普段調子を崩しにくい方ほどいざというときの発作止めの使い方を忘れてしまいがち。環境再生保全機構がわかりやすい動画をYoutubeに投稿していますので、ご参考にしていただければと思います。

当院に勤務している看護師の中澤真弥さんの新著のご案内です。

2017年の
『看護の現場ですぐに役立つ口腔ケアのキホン』（秀和システム）
2018年の

『看護の現場ですぐに役立つ排泄ケアのキホン』（秀和システム）

に続いて、3作目を出版されました。

『看護の現場ですぐに役立つ フットケアの基本スキル』（秀和システム）

前作と同じく看護学生さんや新人看護師さんが主な対象ですが、実際の手技がイラストでわかりやすく解説されていますので糖尿病の患者さんにも役に立つ内容です。

西岡医院の待合室に見本が置いてありますのでぜひご一読ください。

当院に勤務している看護師の中澤真弥さんの新著のご案内です。

昨年の
『看護の現場ですぐに役立つ口腔ケアのキホン』（秀和システム）
に続いて、７月２０日に２作目を出版されました。

『看護の現場ですぐに役立つ排泄ケアのキホン』（秀和システム）

前作と同じく看護学生さんや新人看護師さんが主な対象ですが、実際の手技がイラストでわかりやすく解説されていますので体の不自由なご家族を介護している方にも役に立つ内容です。

西岡医院の待合室に見本が置いてありますので受診されるようでしたらご一読ください。

高齢化の進行につれて、認知症のお年寄りが増えています。

認知症には多くのタイプがあり、最多のアルツハイマー型認知症には内服治療が存在しますが『治せる』というよりは『進行を遅らせる』効果です。

治療可能な認知症（Treatable Dementia）と呼ばれる病気も存在します。これらは認知症と似た症状を起こしますが、適切な治療が行われれば改善の見込みがあります。
・甲状腺機能低下症など、内分泌系の病気
・肝機能、腎機能など内蔵の病気
・ナトリウム、カルシウムなど電解質の異常
・ビタミンB1、B12などの不足、お酒の飲みすぎ
・ビタミンB1欠乏・Wernicke脳症、アルコール多飲
・うつ病などの精神疾患
・飲んでいる薬の副作用
などなど。

特にお年寄りでは甲状腺機能低下症が隠れていることは多く、認知症の１割くらいは治せる病気ともいわれています。

物忘れがひどくなったら、認知症の薬を始める前にしっかり検査するのがよいですね。

２０１８年８月５日（日）は当院は内科の休日当番医です。
高崎祭りの当日ですので、市中心部からお越しの方は交通状況にご注意ください。

診療時間　朝９時から夕１８時まで
小さいお子さんは小児科の当番医に受診をお願いします。
混雑によりお待たせすることがございます。

最近の猛暑により、熱中症の方が増えています。ここ数日は、毎日何人も点滴を要する方が来院されました。

熱中症の症状は様々ですが、初期段階で把握して早めに治療するのが重症化を避けることにつながります。

・頭痛
・寒気
・手足のしびれ
・筋肉痛
・嘔気
・下痢

など、熱中症の症状は様々です。他の病気との区別が難しいことも往々にしてありますので、似た症状があればお早目の受診をお勧めします。

2018年のお盆は、

8月11日（土・祝）から8月15日（水）までお休みをいただく予定です。

休み明けの8月16日（木）は木曜日のため午前半日の診療になります。

睡眠時無呼吸症候群の世間のイメージとしては、中年男性で肥満の方というのがありそうです。
しかし、体重が重くなくても日本人は無呼吸になりやすいといわれています。

ほとんどの無呼吸は、喉の奥で呼吸の通り道が閉塞してしまうために起こります。
日本人は外国人と比較してアゴが小さい方が多く、もともと空気の通り道が細くできているのです。そのため容易に閉塞しやすい。

無呼吸のある方では睡眠の質が悪化するため、夜間のトイレ回数の増加や日中の眠気が起こります。
心血管疾患、脳血管障害、糖尿病、高血圧、さらには交通事故を増加してしまうという困った病気でもあります。

診断のためには睡眠時ポリグラフィ検査を行います。当院の場合は入院せずに実施できますので、いびきや眠気が気になる方はご相談ください。

COPD（慢性閉塞性肺疾患）の知名度は政府の啓発活動の甲斐もあって少しずつ上昇してきました。しかしその恐ろしさはいまだ十分伝わりきっていなません。

COPDは長年の喫煙の蓄積により生じます。現在、または過去に喫煙していた方の8人に1人がCOPDを持っているといわれています。日本では喫煙率が高く、まだまだ患者数が増加すると予想されています。

慢性的な咳、痰、動いたときの息切れ症状に始まり、呼吸機能が低下すると酸素吸入を要するなど生活に不自由をもたらします。
2016年、COPDによる全国の死亡者数は15,686人でした。これは疾患別で男性の死亡原因の8番目にあたります。

COPDの治療の第一は禁煙です。いくら治療しても、タバコを止めないと思うような効果は上がりません。

治療薬としては気管を広げて呼吸を楽にする吸入療法があります。肺機能を改善して呼吸の症状を緩和する効果もあります。

COPDを診断するにはレントゲン検査だけでなく肺機能検査が必要です。禁煙外来も行っておりますのでお困りの方はお気軽にご相談ください。

２０１８年6月２９日、観測史上最も早い梅雨明けが発表されました。

気管支喘息の患者さんにとっては、ジメジメした空気で発作を起こしやすい梅雨が終わるのは良いことです。
にわか雨や台風の時には調子を崩しやすいので、そのようなときはまだまだ要注意です。

一方、スギ花粉の飛散量が増えないかは懸念されます。
夏の日照時間が長いほど翌年のスギ花粉の飛散量が増える傾向があります。実際に昨年は７月に晴れが多く、今年春にスギ花粉が猛威を振るったのは記憶に新しいところです。

スギ花粉の時期に点鼻や点眼、内服で対応するのも可能ですが、事前の対処としてはアレルゲン免疫療法があります。
今の時期から舌下にスギ花粉のエキスまたは錠剤を毎日服用することで、最終的に花粉症を根治できる可能性のある唯一の治療です。詳細につきましてはお気軽にご相談ください。

睡眠時無呼吸症候群は、体の酸素不足のために様々な内蔵に負荷をかけてしまいます。

これまでも多くの疾患の発症の危険を増すことが報告されています。

心疾患（不整脈、心不全、狭心症、心筋梗塞）、脳血管障害、高血圧、糖尿病についてはすでに無呼吸で増加する研究結果があります。

今回のヨーロッパ呼吸器学会雑誌の論文では、肝臓にも睡眠時無呼吸が悪影響を及ぼすことが示唆されています。

フランスで、124人の睡眠時無呼吸症候群の患者さんについて、肝臓の硬度を測定したところ、
睡眠時無呼吸症候群が重症であればあるほど肝臓の硬度が高い＝肝臓が傷ついているという傾向がみられました。

重症のSASの方では有意に肝疾患が多く予後不良リスクが高いことを示唆しています。

日曜日に、高崎で行われた呼吸循環セミナーに参加してきました。

睡眠時無呼吸症候群に関して、検査解析の注意点など非常に参考になる勉強会でした。

当院のように検査結果の解析を医師が即日行っている医療機関は非常に少ないと思います。これからもスムーズな検査、治療を心がけて診療してまいります。

特定健診で、肝機能や腎機能、高脂血症の異常があれば治療が必要なのはわかりやすいと思います。

しかし、尿酸が高いと言われてもピンとこないので放置してしまうという方が意外といらっしゃるようです。

高尿酸血症でまず危険なのは『痛風』。足、手などの関節が赤く腫れあがり、強い痛みが1週間以上続いてしまう。汗で脱水になりやすい夏は特に増加します。

『尿管結石症』も高尿酸血症で増加する病気です。突然の背部痛で、これも強烈な痛みです。

医療関係者の中でも忘れがちなのが『動脈硬化』。実は命にも関わるものであり、今年の海外学会でも話題になっています。

血圧を下げても尿酸が高いと心血管疾患を増やしたり死亡リスクを高めてしまうというイタリアでの研究結果が欧州高血圧学会で報告されたそうです。

尿酸を下げるにはアルコール、プリン体の制限と水分補給が第一ですが、すでに痛風を持っていたり著しく高い数値の場合は早めから内服治療も行います。

国民健康保険の加入者の皆さんは、生活習慣病予防の特定健診と各種がん検診を受けることができます。

自己負担額は無料～数百円程度ですので、人間ドックを受けるより低費用です。今年からは肺がん検診として胸部レントゲンもメニューに加わりました。

40歳から74歳の方は特定健診、75歳以上の方は高齢者健診。全国平均で受診率が36％と、3人に2人は未受診ですが非常にもったいないことです。

初診の方でも健診は受けられます。予約制ですので前日までにお電話いただければと存じます。（Tel 027－344-2252）

年末、年度末は非常に混み合いますのでお早目の受診がおすすめです。

群馬県では夏は雷が多発します。上毛かるたでも『雷と空っ風　義理人情』とありますね。

スギに限らず夏のイネ科、秋のブタクサなどの時期には落雷の可能性があり、そのような際に突然の呼吸困難発作が生じることがあります。

この理由として、強い低気圧と雷の放電により花粉が細かく砕かれ、肺の奥まで届く粒子の大きさになるためアレルギー性が増強するという説が有力です。

花粉の影響以外にも、低気圧、低気温、高湿度は気管に悪影響をもたらすため、悪天候の日は慎重な行動が求められます。

梅雨時で肩の関節の痛みが出ていらっしゃる患者さんが先週から増えています。

肩関節の使い過ぎや、加齢による軟骨の摩耗が最も多い原因ですが、他の疾患の方もお越しになります。

例えばある患者さんでは、朝に手のこわばりが生じ、肩を上げると痛みが出てしまう。食欲も落ちるし体重も減るし、血液検査で異常もないから診断がつかないということで当院に受診されました。

リウマチ性多発筋痛症という疾患があり、この方は典型的な症状を呈していたことからステロイド剤を内服していただいたところ著効されました。

内科にはさまざまな疾患を持つ方がお越しですので、診断能力を高める努力が欠かせないと改めて実感します。

気管支喘息では、気道の炎症を抑える吸入ステロイドが治療の基本です。

しかし梅雨時には特に、ジメジメした空気の刺激で咳や息苦しさが増しやすいものです。

この時期は気管支拡張薬を追加で使っていただく患者さんが多くなります。

β刺激薬と呼ばれる種類のものを用いるのが定番で、吸入ステロイドと合剤にしたものも複数存在します。

また、β刺激薬では手の震えなど副作用が生じてしまい使えないという方もまれにいらっしゃいますので、吸入抗コリン薬という薬剤をそのような場合には使っています。

６月１８日は都合により、午後の診療開始が４時となります。

6月6日、関東地方が梅雨入りしました。

この時期には咳が長引く患者さんが多くお見えになります。

この原因は気管支喘息。アレルギー性の炎症で気管が狭くなり、咳や痰が何日も何週間も続いてしまいます。夜中に苦しくて眠れなくなることも。

喘息を起こしている気管支は、湿度や温度の変化による刺激に過敏です。梅雨時のジメジメした空気で気管が収縮して、苦しくなってしまうのです。

気管支喘息は自然に改善しないため、吸入薬などの適切な使用が必要です。

また、天気が崩れそうな日には疲れをためないことが大事です。

睡眠時無呼吸症候群に対して、睡眠中にマスクを装着して風圧で気道を広げるのがCPAP療法です。

風圧やマスクの違和感で装着が思うようにできないという方はときどきいらっしゃいます。中には何年も違和感を我慢していたという方も。それではせっかくの治療が本末転倒になってしまいます。

当院ではいくつかの取り組みによって、CPAPの付け心地を改善しています。

①マスクの変更
CPAPのマスクがきつかったり緩かったりする方に適しています。
人それぞれ頭の大きさ、形は異なります。サイズを変更して適合することは多いです。
鼻マスク、フルフェイスマスク、ピローマスクのタイプを変えることもあります。

②圧力の変更
風圧を強くしたほうが無呼吸は改善するのですが、慣れないうちは特に違和感で不眠になりやすいところです。
当院では慣れるまでは風圧を弱めにして、その後に徐々に圧力を増強しています。

③加湿器の追加
冬場は特に、口や鼻が乾燥してしまいがち。その時期だけCPAPに加湿器を追加することで解消をはかります。

④初回導入時のオプションとして
導入初期の1－2週間に限って睡眠導入剤を使うことで違和感なく治療できたという研究論文がありますので、心配な方にはご案内しています。

昨夜は前橋で気管支喘息の勉強会が行われました。

群馬大学呼吸器アレルギー内科の先生方と、相模原病院の講師の先生により重症喘息の治療について解説されました。

すでに行われている喘息の標準治療である吸入ステロイドは非常に有効性が高いのですが、それでもコントロール困難な方は一定数いらっしゃいます。

ヌーカラ、ファセンラのような近年の新薬や、気管支温熱療法のような内視鏡治療の広がりによりそれらの方にも福音が訪れる可能性が示唆されていました。

当院でも大学病院との連携で気管支温熱療法を受ける患者さんはいらっしゃいます。発作の頻度が半分程度になるため、難治性、重症の方に特に有効な印象です。

今月は米国胸部学会が開催されており、呼吸器領域の最先端の研究が数多く発表されています。

特に注目を集めたものの一つとして、近年存在感を増している電子タバコと肺疾患の関係についての発表がありました。

https://www.pulmonologyadvisor.com/ats-2018/chronic-obstructive-pulmonary-disease-risk-from-e-cigarettes/article/767519/

電子タバコの喫煙者ではCOPDは4.45％に生じ、非喫煙者と比較して1.86倍の発症率であったということです。

肺がんの発症率については今後の研究を追わなければならないものの、喘息、COPDのような癌以外の呼吸器疾患については電子タバコも含めた禁煙が好ましいと考えます。

禁煙外来実施中。お気軽にご相談ください。

スギ花粉、ヒノキ花粉の時期がようやく過ぎ去りましたが、意外にも今になって鼻炎、結膜炎症状が悪化している方がときどき受診されます。

イネ科の草花である『カモガヤ』、『オオアワガエリ』などの花粉は5月から7月頃に飛散しますので、ちょうど今がシーズンなのです。

当院の周りは田園地帯で麦畑が広がっており、畦にはこれらのイネ科植物が生い茂っています。麦の収穫が始まるとこれらの花粉が舞い散りますので、アレルギーをお持ちの方はマスクをしておいたほうが無難です。

イネ科の花粉症の治療はスギなどと一緒で抗アレルギー薬の内服、点鼻、点眼です。

スギ花粉症のような舌下免疫療法はまだ存在しません。

睡眠障害のある方が交通事故を起こして逮捕されたという報道がありました。4年間で19回もの事故を起こしたそうです。

睡眠障害で最も多いのが睡眠時無呼吸症候群です。2003年に山陽新幹線で運転士が運行中に居眠りをした際も、2012年に関越自動車道でバス事故で45人が死傷した際も、45人が死傷した関越自動車道バス事故の運転手も、のちに睡眠時無呼吸症候群が原因と判明しています。

1988年にアメリカで行われた交通実態調査では、睡眠時無呼吸症候群の方は健常者と比較して交通事故の発生率が7倍に上昇していました。（Findley Am Rev Resp Dis 138:337）

運転中に急な眠気を自覚したことのある方は、いちど検査をお勧めいたします。
簡易検査でしたら初診当日から可能です。3割負担の方では検査の自己負担は2700円になります。

http://nishiokaclinic.sakura.ne.jp/sleepapnea.html

5月になり暑い日と涼しい日が交互に訪れています。

このような気候の時は、おなかの調子を崩しがちなもの。

先週、今週とおなかをこわした患者さんが多くお越しになっています。

ほとんどはウイルス性胃腸炎で、嘔吐と水様下痢が特徴です。

特効薬はないため、整腸剤、胃薬、吐き気止めで症状を抑える治療になります。

この時期は汗で水分を失っているため水分補給は特に大事であり、少しずつでも飲まないと脱水のリスクが高いです。

予防には頻回の手洗いが重要です。

スギ花粉に対する舌下免疫療法のお問合せが増えております。

花粉の飛散時期もそろそろ終息に向かっており、来月あたりから治療開始する方が多いです。

舌下免疫療法のためには採血などにより治療に適しているか事前に調べる必要があります。来月治療開始を希望される方は先に検査も可能です。お気軽にご相談ください。

睡眠時無呼吸症候群が高血圧、糖尿病と関係していることはこれまでも多くの研究で指摘されていますが、京都大学の呼吸器内科により長浜市で、過去最大規模の研究が新たに報告されました。NHKなどメディアでも報道されていました。

過去5年間に滋賀県長浜市で検診を受けた7000人強の成人について調査され、全体の12%にあたる866人もが睡眠時無呼吸症候群と診断されました。このうち男性では4人に1人が中等症以上でした。

中等症以上の方では高血圧の割合が2.4倍多かったそうです。

糖尿病についても、特に女性では睡眠時無呼吸症候群の中等症以上の場合に糖尿病の割合が閉経前で28倍、閉経後で3倍でした。

睡眠時無呼吸症候群を治療することで、高血圧や糖尿病の改善につながる可能性があります。治療の効きにくい方では特に、睡眠時無呼吸症候群の検査をお勧めします。

特定健診は、普段はかることの少ない血液検査なども無料で行うことができ、自分の体の状態を知ることのできる絶好の機会です。
平成30年度の受診期間が始まりました。受診忘れのないよう早めのご利用を。
初診で受けることも可能です。お手数ですが予約制ですので、027－344-2252に前日までにお問い合わせください。

40歳以上の方では、生活習慣病やガンの早期発見、早期治療のために健康診断が行われています。特定健診、後期高齢者健診、がん検診など当院でも実施しております。国民健康保険では自己負担はありません。健康保険組合では指定医療機関が決まっている場合もございますのでご確認ください。
【特定健診】40歳から74歳
40歳から74歳までの人（年度中に40歳になる人を含む）を対象に、加入している 医療保険者 （保険証の発行元）が実施する健診です。対象者には、医療保険者から受診券（保健指導は利用券）や受診案内等が送付されます。詳しくはお手元の健康づくり受診券をご確認ください。

一例として高崎市国民健康保険では
身体計測（身長・体重・腹囲）
医師による問診・診察
尿検査
血液検査（血中脂質・肝機能・腎機能・血糖）
血圧測定

このほか、前年の健診結果等を参考に、医師の判断により詳細健診（心電図・貧血）を行う場合があります。

さらに今年度より、高崎市では胸部レントゲンの個別検診が始まります。これまでは検診車で集団検診が行われていましたが、医院で撮影することでより細やかなフォローが可能になります。

【後期高齢者健診】75歳以上
高崎市に住所がある75歳以上（一定の障害がある人は65歳 以上）の人が対象です。対象者には、毎年5月頃に高崎市から後期高齢者健診受診券が送付されます。
健診内容は特定健診とほぼ同様ですが、腹囲測定が含まれません。

睡眠時無呼吸症候群の患者さんは日本に推定300万人もいらっしゃいます。

しかし、実際に検査を受けて診断がついている方はごく一部であり、適切な治療を受けている方はさらに少ないのが実情です。

これには医療側の責任もあります。無呼吸を放置することで心疾患や交通事故の増加など様々な健康リスクが存在するにも関わらず情報発信が限られていたこと、そして何より受診に至るまでの垣根の高さです。現代人は多忙ですから、受診回数や待ち時間の点でスムーズに診療を行うのが理想です。

当院では簡易検査、精密検査で複数台の検査体制を組んでおり、装着するスタッフの熟練、院内での返却当日内のデータ解析により早ければ初診から数日のうちに適切な治療まで到達可能です。

3割負担の方の場合、初診で簡易検査を当日に行った場合のお会計は全部で3550円です。(2018年5月現在)

9割5分以上の日で当日検査が可能ですが、027-344-2252に事前予約いただければより確実です。

2018年ゴールデンウィークの診療は以下の通りです

5月1日(火)　9時～18時　通常通り
5月2日(水)　9時～18時　通常通り
5月3日～6日　休診
5月7日(月)～通常通り

沖縄県で麻疹(はしか)が流行しています。

旅行者が持ち帰って、東京や名古屋のような都市圏でも発症しているようです。

日本では麻疹のワクチン接種率が低下しており、免疫がない方が増えています。ワクチンを子供の時に接種した方も、長年の間に免疫が薄れています。

当院にも麻疹のワクチン接種希望のお問合せを今週数件いただきました。麻疹の単独のワクチンは全国的に払底しており、麻疹・風疹ワクチン(MRワクチン)を接種させていただきました。

ご希望の方は、在庫確保のために事前にお問合せをお願いしております。麻疹・風疹ワクチンの接種は9千円強です。

サバやアジの生食で感染する、アニサキスという寄生虫がいます。

群馬は海なし県ですので発生率自体は高くないのですが、ときどき見かけます。

最近いらした患者さんは、海釣りに出かけて魚を釣って刺身にして食べたところ、半日してからみぞおちに激痛が！

この虫に感染してしまうと胃に食いついてしまい激痛が生じます。治療は胃カメラによる摘出ですが、時には手術を要することもあります。

凍らせた魚や加熱調理した魚は無害ですので、気を付ければ回避できます。

春は健康診断の機会がある方が多いのではないでしょうか。

血圧が高めで気になる方には、自宅血圧の測定をおすすめしたいと思います。

診察室での測定ではあがってしまって高血圧、という方では自宅血圧の方が実態を正確に反映します。

そこで大事なのが測り方。

まず時間について。食事やトイレで血圧は変動しますので、影響の少ない起床時または眠前がお勧めです。2回測って平均をとれれば理想です。
朝の測定は起床後１時間以内、トイレ後、食前がよいとされています。夜の測定は就寝前で、いずれも１～２分の安静後がよいです。

当院では血圧日記を希望される患者さんにお渡しして記録していただいております。

ヨーロッパ呼吸器学会雑誌に出た論文です。

気管支喘息は、気管に生じる炎症のために空気の通り道が狭くなる病気です。

炎症を抑えるために、定期的に吸入ステロイド薬を使うことが大事なのですが、中には

苦しくなったときだけ、発作止めの気管支拡張薬を使ってやりすごしてしまう方がいらっしゃいます。

イギリスで行われた研究で今回判明したことは、発作止めだけで喘息を治療している女性は妊娠の可能性が15%低下するということです。

喘息のために子宮の血流が低下することが原因ではないかと述べられています。

喘息をお持ちの女性で妊娠を希望されている方は、発作止めだけではなく吸入ステロイドをしっかり使用することが大事です。

睡眠時無呼吸症候群(以下SAS)が気になる、という方は意外と多いです。

ただ、他の病気と比べて検査や治療の流れがつかみにくいからしり込みしてしまうという声をよく耳にします。

西岡医院における治療までの流れをまとめてみました。

ちなみに、治療導入まで最短の場合は2日間

①初めての受診と簡易検査
初診のときに、自覚症状について伺います。
パンフレットに沿って、SASという病気の原因や注意点についてお話します。
多くの方は、そのまま簡易検査を行います。機械をお貸しして自宅で一晩装着し、翌日～ご返却いただきます。返却は代理の方で結構です。

②簡易検査の結果説明
一時間あたりの無呼吸、低呼吸の数(AHI)によって異なります。
SASなし(AHI 5未満)　→治療は必要ありません。
SAS軽症(AHI 5～20)　→マウスピースの作成を行います。
SAS中等症～重症(AHI 20～40)　→③精密検査へ
SAS超重症(AHI 40以上)　→④CPAP療法の導入へ

③精密検査
来院前に入浴をお勧めしています。
夕方に来院いただき、10分程度で機械を装着します。
装着後はご自宅でいつも通りにお過ごしいただきます。食事もできますし、晩酌もできます。
翌日に機械を外して返却していただきます。返却は代理の方で結構です。
返却いただいた日のうちには結果を解析いたします。

④CPAP導入
AHI20以上の方では、睡眠時に鼻にマスクを装着するCPAP療法が保険で行われます。
当院では遠隔モニタリングを導入しているため、毎晩の呼吸状態のデータを見ながら最適の設定を行います。

スギ花粉の飛散はようやく落ち着いてきましたが、2018年はヒノキ花粉が大量に飛散しているとの速報が日本気象協会から発表されました。

昨年の43倍とのニュースも。

ヒノキはゴールデンウィーク頃まで注意が必要です。

眠くならない内服薬、点鼻薬、コンタクトレンズの上から使える点眼薬などご相談可能です。

睡眠時無呼吸症候群の治療として、特に重症の方ではCPAP療法(持続的陽圧呼吸)を行っています。

毎月の受診のときに機械の料金を保険診療でお支払いいただくのですが、平成30年の診療報酬改定でその金額が引き下げられました。

ひと月当たり1000円の値下げとなります。(3割負担では300円)

長期の治療を要する疾患ですので、患者さんにとっては福音ではないでしょうか。

最近は市内はもとより、市外の患者さんも検査にみえるようになりました。いびきや無呼吸、それによる日中の眠気などの症状にお悩みの方はぜひお気軽にご相談いただければと存じます。

昨年4月1日に2代目院長の私が就任して以来、ちょうど1年が経過しました。

睡眠時無呼吸症候群の検査と治療、アレルゲン免疫療法、禁煙外来もご好評をいただいており、糖尿病、高血圧のような生活習慣病診療、皮膚や鼻などプライマリケアについても日々全力投球してきた1年でした。

スタッフ一同、現状にとどまることなく、さらに診療を向上していくべく努めてまいります。今後ともよろしくお願いいたします。

慢性閉塞性肺疾患などの診断に使われる、呼吸機能検査。
当院でも日常的に使っていますが、『吸う力(肺活量)』、『吐く力(1秒量)』を用いて『肺年齢』という数値が出ます。
体格、性別から計算して、肺機能が相当するおおよその年齢になります。

若いのに吐き出す力が弱めな方が時々いらっしゃいます。病気というほどではないが、実年齢より10歳、20歳も肺年齢が高い。

ヨーロッパ呼吸器学会雑誌に発表されたデンマークの論文で、このような軽度の肺機能低下がもたらす健康の不利益が示唆されています。
10万人近くを解析した結果、吐き出す力の弱い方は肺炎にかかるリスクが2.7倍、心不全になるリスクが2.3倍高いことが判明しました。

若いのに吐く力が低下する最大の原因は喫煙です。年度の切り替わるこの時期、禁煙にトライしてみてはいかがでしょうか。

禁煙外来について

春分の日は雪の降る冷え込みでしたが、22日からは温暖な春の気候になります。

3月下旬は花粉の飛散量もピークになりますので、外出時はマスクをお忘れなく。

当院では、点鼻薬を使っている患者さんは全体的に症状が軽く済んでいるようです。直接鼻に噴霧しますので、局所のコントロール性能には優れている印象ですね、

高崎市のインフルエンザの流行については、ピーク時の10分の1程度まで患者数は減少しており、ほぼ終息したと思われます。

新町の一部では流行をみせており、新町中で学級閉鎖、学年閉鎖が生じているようです。

院内採用の点眼薬を変更いたしました。

保存料の『ベンザルコニウム』が含まれていないため、コンタクトレンズと化学反応を起こしません。コンタクトの方でもこれまでより使いやすくなります。

花粉の飛散量が多かったため、例年よりも花粉症の症状が強い方が多いと感じます。

スギ花粉症の舌下免疫療法についてお問合せをいただくことが増えておりますので、どのような方に向いているか一度整理してみたいと思います。

①従来の治療では毎年症状が辛い方
抗アレルギー薬、点鼻薬、点眼薬の3点セットで症状が治まる方が大多数ですが、それでも毎年症状が辛い方には舌下免疫療法の追加が適しています。
症状の軽減により、使う薬剤の量が減らせたという学会報告が多数あります。

②薬の量を減らしたい方
シダトレンの内服により、抗ヒスタミン薬や点鼻、点眼薬を減量できるという論文は多数存在します。

③受験を控えている
スギ花粉の飛ぶ2月、3月は受験シーズン。痒みのせいでよく休めなかったり集中力が低下したりで実力を発揮できないのは避けたいところです。
中学の低学年くらいで始めると、高校や大学受験のときに効果を期待できます。

逆に、このような方には向かないかもしれません。

①即効性が欲しい
舌下免疫療法には残念ながら即効性がありません。治療の効果が最大化するのは3年目と言われています。
まずは今季の症状を抑えるために、内服、点鼻、点眼薬を使うほうが適しています。

②長期の服用は大変という方
舌下免疫療法は花粉の時期も花粉のない時期も、継続して3年間は毎日内服する治療です。治療が途切れると、効果も薄れます。

いずれにしても、舌下免疫療法に興味をお持ちの方はお気軽にいちどご相談いただければと思います。

舌下免疫療法のデータが蓄積されるにつれて、治療する方が増えています。昨年中から舌下免疫療法を始めた方にとっては今が最初のシーズンとなります。

舌下免疫療法は3~5年といった長丁場の治療です。1年目では、まだ効果は十分でないことがあります。

今はまだ効果が実感できなくても、この時期にしっかり継続することで来年、再来年の花粉症の軽減を目指すことになります。

幸い、内服、点鼻、点眼で有効性の高く眠気の出にくい薬はありますのでそれらを用いてこのシーズンは過ごしていただいています。

インフルエンザの感染者は減少傾向ですが、高崎市で1週間で500人程度いますので終息にはもう少しかかりそうです。

箕郷小学校では大流行をみせており、この1週間で9クラスが学級閉鎖になっています。

来週は温暖な気候となり、スギ花粉が飛散しやすくなります。

花粉症と意外なつながりがあるのが、気管支喘息です。

どちらもアレルギーの疾患ですし、鼻と気管支という『気道』に生じるという共通点もあります。

花粉症の時期には喘息が悪化しやすいことが知られています。中には、喘息が初めて出て受診に至る方もよくいらっしゃいます。

長引く咳、夜のぜーぜーなどの兆候があれば、花粉症だけでなく喘息の可能性を考えて受診したほうがよいかもしれません。

『ゾフルーザ』はインフルエンザ治療の新薬で、わずか1回の内服で治療が完遂すること、タミフルよりも早くウイル排出がおさまるため周りの人にうつしにくいことが利点です。

12歳以上 　　　　 40mg
80㎏以上 　　　　 80mg

12歳未満のお子さんでは、
40kg以上 　　　　 40mg
20kg以上40kg未満 20mg
10kg以上20kg未満 10mg

10㎎錠は1507.50円、20mg錠は2394.50円とのこと。

薬代は、3割負担の成人の方では1436.7円。タミフルで治療した場合の1.5倍程度ですね。80㎏以上の方では2873.4円ですから高めです。

日本気象公開のホームページではその日の花粉飛散量が記載されています。

3月6日の高崎市の飛散は『やや多い』。先週あたりから増加してきた花粉も、いよいよ症状が強くなってきています。

眠気の出にくい治療薬について、お問合せをいただくことが今日は多かったです。数日前にも記事にしておりますが、やはり車の運転が可能な薬が人気のようです。
①内服薬 花粉症の内服薬の主流は、抗ヒスタミン薬という系統のものです。 眠気の副作用の強いものもあり、内容は千差万別です。 当院の院内採用薬は、『アレグラ』と『デザレックス』。 個人差はありますが、どちらも眠気が出にくい薬です。服用後の車の運転も可能とされています。
②点鼻薬、点眼薬 点鼻のステロイド薬は、眠気が全くなく花粉症の鼻症状に最も効果的です。 内服ステロイドと異なり、全身に吸収されにくいので副作用面でも安心です。 点眼の抗ヒスタミン薬も眠気を起こしません。
③アレルゲン免疫療法 スギ花粉を毎日少量ずつ摂取して、アレルギー体質を改善するという治療です。 眠気は全く出ません。当院でも行っています。

春眠暁を覚えず、というように太古の昔からこの時期は眠気が出やすいものです。

日本睡眠学会は3月18日を『春の睡眠の日』と指定し、その前後の11日から25日までを『健康睡眠週間』と定めています。

新年度に向けて、睡眠負債と向き合うのによい機会かもしれませんね。

2017年7月7日に創設した当ホームページですが、3月3日に2万アクセスとなりました。

見てくださる方が増える分、これまで以上に正確で役立つ医学情報を発信してまいります。

2月23日、インフルエンザの新薬である『ゾフルーザ』が承認されました。

これまで主流であった『ノイラミニダーゼ阻害剤』とは異なる作用機序を持ち、『キャップ依存性エンドヌクレアーゼ阻害剤』というカテゴリーに入ります。

この薬剤の利点としては、細胞の中でのウイルスの増殖を抑えられるためウイルス量が早期に減少に向かうことが挙げられます。
感染性が減ることで、今年のように流行が拡大する危険を低下させることが期待されます。

さらに、内服薬で単回の治療ができるというのは大きな特長です。一回飲めば治療がすむので、飲み忘れの危険もなく、これはウイルスの耐性化予防に役立ちます。
A型とB型の両方のインフルエンザに有効であり、小児でも使用できます。

焦点は発売時期です。5月という予想がされておりますが、さらに早まるようなら今のシーズン終了までに間に合う可能性もあります。

今日は、息苦しさが急に出て受診される方が目立ちました。

風が強く、土ぼこりやスギ花粉が舞っているため喘息発作が出てしまいやすい気候でした。

いずれの方も気管支拡張薬の吸入で症状は落ち着きましたが、これから数日は要注意です。

花粉症では眠気が出やすいという話をしました。

その中でも、薬による眠気は気にされる方が多いポイントです。

眠気の出にくい花粉症治療薬は各種あり、当院では車の運転や仕事、学業に支障とならない薬を処方するようにしています。

①内服薬
花粉症の内服薬の主流は、抗ヒスタミン薬という系統のものです。
眠気の副作用の強いものもあり、内容は千差万別です。
当院の院内採用薬は、『アレグラ』と『デザレックス』。
個人差はありますが、どちらも眠気が出にくい薬です。服用後の車の運転も可能とされています。

②点鼻薬、点眼薬
点鼻のステロイド薬は、眠気が全くなく花粉症の鼻症状に最も効果的です。
内服ステロイドと異なり、全身に吸収されにくいので副作用面でも安心です。
点眼の抗ヒスタミン薬も眠気を起こしません。

③アレルゲン免疫療法
スギ花粉を毎日少量ずつ摂取して、アレルギー体質を改善するという治療です。
眠気は全く出ません。当院でも行っています。詳しくはこちら

④注射のステロイド療法は、眠気は出ませんが他の副作用が多く行っていません。

2月18日から24日の1週間の市内のインフルエンザ感染者は、

インフルエンザA型　279人

インフルエンザB型　635人

と1000人を割りました。

ピーク時からは3分の1程度になりましたが、例年よりはまだかなり多いです。

月1回行っている、県内の呼吸器アレルギー内科医が集合しての論文抄読会が群大病院で行われました。

今回はマイコプラズマ肺炎についてと、サルコイドーシスについて。

マイコプラズマは若い方に肺炎を起こす病原菌の一つで、近年は耐性菌が増えています。ミノマイシンやクラビットの有効性について検討されました。どちらも効果は良いですが、副作用に注意しつつ使用するのが肝心という議論でした。

サルコイドーシスは全身のリンパ節や内臓に炎症を生じる疾患で、国の指定の難病(特定疾患)になっています。胸部リンパ節の腫大が検診で見つかることが多く、呼吸器内科に受診される機会が多い疾患でもあります。基本的には進行は遅いことが多いのですが、心臓に病変があったり間質性肺炎を併発すると危険性が高まるという議論でした。

どちらも重要な病気であり、このような機会を逃さず知識をアップデートしていく必要を実感します。

花粉症の症状というと、鼻水、鼻づまりが多いです。

さらに、この時期になると花粉症の患者さんの中には、睡眠に問題が生じる方が多くいらっしゃいます。

千葉大の岡本教授らが2008年に行った調査では、花粉症の方の75%に睡眠の問題があり、50%に日中の眠気が出ています。

人体の構造的に、口よりも鼻の方が骨格がしっかりしていて呼吸がしやすくできています。睡眠中は90%以上の方が鼻呼吸をしています。

花粉症で鼻の通りが悪くなると口で呼吸をすることになり、やわらかい口腔、咽頭は呼吸時の陰圧でつぶれてしまいます。

その結果、いびきが出たり無呼吸が起こったりするのです。

睡眠時無呼吸は日中の眠気以外にも、居眠りによる交通事故の増加や低酸素による心臓への負担など重大な疾患です。

花粉症の症状は早めに治療しておくのが大事ですね。

睡眠時無呼吸症候群の治療のひとつに、マウスピースがあります。
睡眠中の呼吸停止のために満足に眠れず、睡眠負債が溜まっているような方が増えています。
重症の方にはCPAP療法が行われ、軽症から中等症の方にマウスピースが行われます。
マウスピースで下あごを前にけん引して、気道を広げることで無呼吸を改善します。

劇的な効果をみせる患者さんも時折いらっしゃいます。

ある方は当院で行った初回の検査のときは、1時間に20回近く呼吸停止がみられました。
マウスピースを歯科医院さんで作成していただき、リベンジの検査をしたところ、1時間あたりの無呼吸、低呼吸は4回と正常範囲まで低下していました。

一般には、あごが小さめの方でマウスピースの効果が上がりやすいといわれています。

アレルギー学会の会報誌で、急性の咳嗽の原因疾患について検討した論文がありました。

大阪の高槻赤十字病院の呼吸器内科に受診した129人の急性の咳の患者さんについて、原因疾患を分析。

3分の1の方にレントゲンの異常があり、3分の2の方は異常がありませんでした。

レントゲン異常の方は半分が肺炎。そのほか、間質性肺炎、肺がんなど。

レントゲン正常の方では、4割がカゼ、2割が感染後咳嗽(カゼの後に咳だけ残るタイプの咳です)、3割が喘息でした。他にはタバコによる気管支炎や、肺気腫など。

病院の検査ですのでレントゲン異常の方が多い研究ですが、実際の医療現場ではレントゲン正常の方が圧倒的に多いです。

カゼと感染後咳嗽が多いのは急性の咳では納得されますが、思ったよりも喘息の割合が多いですね。

これが慢性の咳になると、半数以上が喘息といわれています。通常の咳止めでは改善しないため、呼吸器内科の受診が必要になります。

日本気象協会の記事で、本格的な花粉の時期への突入が報じられました。

ピークは3月になるようですが、去年より群馬は5割増しと既報通りに多めの飛散になりそうです。

今日は強風が吹いていました。

気温も上がり春を知らせる風ですが、花粉をまき散らすという迷惑な面もあります。

スギ花粉は本格的に飛散が始まりました。

症状が強くなる前に、点鼻、点眼、内服、マスクなどで対策が大事です。

アレルゲン免疫療法も選択肢。花粉の時期が過ぎたら来シーズンの備えによいです。

先日、睡眠時無呼吸症候群が心配というある男性が受診されました。

その方は、ご家族の勧めでスマートフォンに検査アプリを入れて、ひっかかったために受診に至りました。当院で睡眠時ポリグラフィ検査を行い、CPAP療法が導入されました。

気になって調べてみると、睡眠時無呼吸症候群を調べるアプリがいくつも存在するようです。中には無料のものもあり、手軽に使うことができます。

もちろん、当院で使っている検査機器ほどの精密さや正確さはありませんが、睡眠時無呼吸症候群という疾患を知るための入り口としては有用なツールだと思います。

iPhone、Androidともにアプリはありますので、気になる方は一度試してみてはいかがでしょうか。

2月4日から10日の高崎市医師会の集計したインフルエンザ感染者情報です。

インフルエンザA型　　323人

インフルエンザB型　1691人

前週より700人程度の減少をみせており、流行がピークを過ぎた可能性があります。

しかし依然として週2000人以上と猛威を振るっています。2月中は感染に注意しながら過ごすのがよさそうです。

2月11日の当番医は終了しました。

患者さんは140人いらっしゃいました。

8割がインフルエンザ、1割が胃腸炎、1割がそのほかという内訳でした。

2018年2月11日(日)休日内科当番医です。
午前9時より午後6時までが診療時間です。当番医の日は予約はできません。
駐車場は約20台ございます。
スタッフ一同全力で診療しますが、インフルエンザが流行しておりますので待ち時間が長くなってしまうと予想されます。
窓口が混雑いたしますので、お電話での道案内は致しかねます。当ホームページのマップをご覧いただければ幸いです。
⇒当院へのアクセス

高崎市では当院以外に内科当番医は、
佐藤医院様　 高崎市箕郷町生原１０８１−５　　Tel 027-371-7577
みずの神経内科・内科クリニック様　高崎市倉賀野町９２９−１０　　Tel 027-395-0888

小児科当番医は、
小泉重田小児科様　高崎市飯塚町１２８５－４　　Tel 027-362-5811
高崎市夜間休日急病診療所(午前のみ)　高崎市高松町５－２８　高崎市総合保健センター1階　　Tel 027-381-6119

当番薬局は、
スギ薬局高崎飯塚店様　高崎市飯塚町１１５０−５　Tel 027-370-5481　(ウニクス高崎の1階)
ウエルシア 高崎貝沢店様　高崎市貝沢町９６０−１　Tel 027-370-6778
アイケイ薬局　中居店様　高崎市中居町４丁目１７−１２　Tel 027-352-4400
みさと薬局　倉賀野店様　高崎市倉賀野町９２５−７　Tel 027-395-4925

そうごう薬局 群馬町店様　高崎市中泉町６０７－２　Tel 027-372-7067　も11日は営業されるそうです。

高崎市医師会からの、インフルエンザ患者発生状況報告が更新されました。

高崎市では引き続きインフルエンザが猛威を振るっています。

学級閉鎖は1週間で80クラス程度ありました。

インフルエンザA型　　542人

インフルエンザB型　　2165人

と、B型の流行はとどまるところを知りません。

あまり熱が出ない方が多いため、インフルエンザ感染と気づかずに仕事に行ってしまって感染を広げてしまうような例もあるようです。

だるさ、ノドのヒリヒリ感がある方が多い印象がありますので、熱がなくともそのような症状があったら要注意です。

最近、お問合せが増えておりますので改めてご紹介いたします。

睡眠時無呼吸症候群は日本で300万人が罹患している病気です。

睡眠中に呼吸停止することにより、様々な内臓に負担をかけてしまうことと、日中に眠気が強く出ることが問題になります。

検査のためにはまず簡易検査を行い、夜間の呼吸停止回数と酸素濃度低下を調べます。

無呼吸症候群の疑われる方にはさらに精密検査として、睡眠の深さを脳波測定で調べます。

1時間あたり20回以上の無呼吸、低呼吸のある方ではCPAP療法で、鼻マスクからの圧により呼吸停止を治療します。

当院では簡易検査は初診当日から実施可能です。

他院では入院を要する精密検査も、最新機器により自宅で可能です。費用的にも安く済みます(入院で約3万円のところ、約1万円で検査可能)。

CPAP療法においては、診療所とCPAP機器のネット回線による接続で、毎日の呼吸の状況をモニタリングしつつ調節可能です。

最近では高崎市以外にも、前橋、安中、渋川、藤岡、埼玉県の方も受診されるようになりました。もし気になっていた方がいらっしゃいましたら、ぜひ一度お気軽にご相談ください。

当院のまわりも積雪しています。

駐車場は除雪済みですが、市内全域で道路状況は悪いようです。

受診の際は事故に十分お気を付けください。

前回の雪のときに駐車場の雪かきで大仕事でしたので、個人用の小さな電動除雪機を買いました。

今日届いて、早速組み立てているとちょうど雪が……

こればかりは活躍の機会がないほうがいいので、積もらないことを祈るばかりです。

よく患者さんに聞かれる話題です。血圧やコレステロールと違って、肺には何を食べるとよいのかがこれまでよくわかっていませんでした。今回ヨーロッパの研究グループから論文が出ました。

2002年から10年間、ドイツ、イギリス、ノルウェーの680人の成人で、肺機能を追跡しました。

果物をよく食べる方では、肺機能(1秒量)の加齢による低下が緩やかになっていました。（3.5mL/年、95％信頼区間0.04-6.92）。

同様に、リンゴ、バナナ、トマト、ハーブティー、ビタミンCも努力性肺活量の低下を抑制していました。特にトマトで効果がみられたとのことです。

トマトは肺によい、とこれからはお伝え出来ますね。

『注射1回で花粉症がおさまる治療はやっていますか？』という問い合わせが時々あります。

これはステロイド剤の筋肉注射のことで、『デポ・メドロール』、『ケナコルト』という製剤があります。

確かに効果は抜群で、筋肉注射したところから1カ月くらいかけてステロイドが全身に回っている間は花粉症の症状がおさまります。

しかし、以下に述べるように副作用が大きいため当院では行っておりません。

例えばステロイド点鼻薬や吸入薬は、全身に吸収されにくいため安全性が認められています。しかし注射や内服など、全身に投与されるステロイドは連用により様々な副作用が生じます。

高血糖、高血圧、顔のむくみ(満月様顔貌)、眼圧上昇による緑内障、骨粗しょう症etc…

膠原病や間質性肺炎など、飲まないと命に係わる場合は別ですが、花粉症に対して使うには危険が過ぎるのかな、と考えています。

内服でも、セレスタミンのようなステロイド合剤はリスクがあります。

厚生労働省の研究事業で出ている『的確な花粉症診療のために』でも、『ステロイド薬の注射はアレルギーの専門施設では、その副作用の問題からほとんど行われていません。』と記載されています。

花粉症の治療の基本は、抗ヒスタミン薬の内服、点眼とステロイドの点鼻です。

最近ではアレルゲン免疫療法により、スギ花粉アレルギーそのものの治療に効果が及ぶようになりました。

それらの治療を尽くしても症状が辛すぎる方にはステロイド全身投与が用いられることもありえますが、現状のように安易に投与されることは慎まれるべきと思います。

高崎市医師会のインフルエンザ集計の更新がありました。

1月21日から27日までの1週間で、

インフルエンザA型　　　641人

インフルエンザB型　　　1938人

ますますB型の流行が顕著になっています。37℃くらいしか出ないことが多く、受診の遅れが危惧されます。

学級閉鎖も市内で1週間で90クラスにのぼりました。

インフルエンザの流行はこれから1-2週間くらいがピークになりそうです。人混みでのマスクで予防につとめてください。

呼吸器関連では世界で最も権威のあるAJRCCM誌で、無呼吸とアルツハイマーの関係についての論文が発表されています。

睡眠時無呼吸症候群では、記憶力の低下はしばしばみられる症状です。

これまで、それは睡眠の質の悪化によって起こるとされていましたが、近年の研究では無呼吸がアルツハイマー病の発症に関与している可能性が示されています。

睡眠中の無呼吸低呼吸の回数が多いほど、アルツハイマー病の原因になるアミロイドβの髄液中の濃度が上昇するというのです。

一方で、睡眠時無呼吸症候群の治療であるCPAP療法を受けている方ではアミロイドβの髄液中濃度が上昇しにくいことも判明しています。

睡眠時無呼吸症候群については、まず調べてみることが大事です。当院では診断に必要な簡易検査、精密検査の両方ともが自宅で実施可能です。お気軽にご相談ください。

毎年この時期になると、日本気象協会から花粉情報の配信が始まります。

日本気象協会のホームページ

まだ飛散開始前になっていますが、敏感な患者さんの中には『もう飛んでいるのを感じる』という方もいらっしゃいますね。

2018年1月23日、草津白根山の噴火が発生しました。噴石、火山灰が大量に放出されています。

気管支喘息の患者さんには、大気中の火山灰が気管への刺激となって喘息発作を生じる危険があります。

群馬大学医学部の呼吸器アレルギー内科が以前に噴火と喘息の関連を研究しています。

2004年9月1日に浅間山が噴火した際に、降灰地域では喘息患者さんの4割以上で症状の悪化がみられました。特に軽症、中等症の方で影響が大きかったようです。

今回の噴火も広範囲への影響が危惧されます。喘息の方は無理せずお過ごしください。

駐車場は使用可能です。

しかし日陰は特に滑りやすくなっています。特に医院玄関前などはご注意ください。

昨日の関東全域の大雪のため、路面が凍結しております。

交通事故のほか、転倒によるケガが増えると予想されますのでご注意ください。

高崎市のインフルエンザ感染は流行のピークになりつつあります。

1月14日から20日の1週間で、感染者数は

インフルエンザA型　838人

インフルエンザB型　1505人

前の週の2倍以上でした。

学級閉鎖は市内全域にわたり60学級以上。西岡医院の最寄りの長野小学校も2クラスが閉鎖になっています。

睡眠時無呼吸症候群の方で、一時間あたりの無呼吸、低呼吸の回数が20回を超える方にはCPAP療法がおこなわれます。

この治療は非常に効果がよいのですが、うまく圧を設定するには医療者側の熟練が必要です。圧が合わないと、違和感のために治療が続けられないこともあります。

以前の器械では、圧力は一晩中を通して一定でした。睡眠に入る前から強い圧をかけるので、不眠の原因になりがちでした。

最近の器械では、寝入りばなには弱い圧力、寝入ってから徐々に効果のある圧力に段階的に上げていく設定が可能です。当院ではこのような設定(Auto CPAP)を用いて、違和感の少ないCPAP導入を行っています。

睡眠時無呼吸の検査についても、簡易検査はほぼ即日可能。精密検査は入院不要で約1万円(3割負担の場合。入院の機関の場合は通常3万円以上)と負担を軽くできるよう配慮しておりますのでお気軽にご相談ください。

インフルエンザはますます流行中。妊婦さんの患者さんも数人お見えになっています。

妊娠中は使う薬にいつも以上に注意しないといけません。

一方で母体が高熱に冒されるのを放置すれば赤ちゃんに悪影響があります。

日本産婦人科学会は、一般診療で用いられる抗インフルエンザ薬についていくつかコメントを過去に出しています。

〇タミフル、リレンザについて
2010年に【妊娠している婦人もしくは授乳中の婦人に対してのインフルエンザに対する対応Q&A】で触れています。いくつか抜粋すると

『インフルエンザ感染が確認されたら、ただちにタミフル投与を考慮します。妊婦には、「発症後48時間以内のタミフル服用開始（確認検査結果を待たず）が重症化防止に重要」と伝えます。』

『多数の妊婦（推定で4万人程度）が抗インフルエンザ薬（タミフル、リレンザ）を服用しましたが、胎児に問題があったとの報告はあがってきていません。』

〇イナビルについて
2014年に【抗インフルエンザ薬「イナビルR (ラニナミビル)」の妊婦への投与について】で触れています。結論部分を抜き出すと

『本研究は大規模研究ではなく、また対照群も設定していないが、妊娠中のラニナミビル服用は妊娠予後に悪影響は見られなかったことを示した。』

要するに、一般で使われている抗インフルエンザ薬は妊娠中でも使用可能です。私個人は、体内に吸収されないほうが胎児に安全な気がするので妊婦さんにはイナビルを処方することが多いです。

解熱剤についてはカロナール(アセトアミノフェン)だけが妊娠中でも使用可能という意見が多いです。アイスノンなどで体を冷やすクーリングで対応できれば理想的です。

1月7日から13日の週のインフルエンザ発生状況が届きました。

高崎市内では、

インフルエンザA型　382人

インフルエンザB型　702人

ますますB型が猛威を振るっています。

新学期が始まり、学校での流行も再増加しています。

1月15日からの学級閉鎖は、市内の小中学校で21クラス。当院の校区で院長の母校である長野郷中でも1クラスが閉鎖になりました。群馬中央中では1年生6クラスが学年閉鎖です。

インフルエンザ患者数では、昨年のうちは小児が占める割合が半分以上でした。

年明けでは成人の占める割合が6から7割程度と、大人の流行になっています。

今後危惧されるのは、受験シーズンで受験生に流行がおこることですね。狭い教室で長時間同席しますし、風邪気味の方も多少無理をして参加している可能性が高いです。マスクをつけて、悔いのないよう過ごしてほしいものです。

当院の最寄りのバスは『ぐるりん』大八木線です。

元々の路線は当院の東隣を通っており、バス停まで徒歩2分程度です。

下水道工事のため、1月いっぱいの間バスの路線が西に道路一本分ずれています。最寄りの臨時バス停は『クープアオキ』様の前になりますので、徒歩4分くらいでしょうか。

2月には元の路線に戻ると思います。

血圧の急激な上昇があると、狭心症や心筋梗塞などの心疾患、脳梗塞や脳出血、くも膜下出血などの脳血管障害が増えることが近年わかってきており、その上昇を『血圧サージ』と呼びます。

気温の急激な変化や、喫煙や運動などの活動で血圧サージが生じますが、起きている間に限らず睡眠中にも出ることがあります。

しかも、睡眠中の血圧上昇は心疾患、脳血管障害を起こすリスクが日中よりも高い。

睡眠時無呼吸症候群の多くを占める閉塞性のものでは、喉の奥で舌が気道を塞いで夜間の呼吸停止を招きます。

睡眠中ですので意識はありませんが、体は苦しさを覚えて交感神経が緊張します。その結果、血圧サージが生じるのです。

睡眠時無呼吸症候群の方では心疾患が3倍、脳血管障害が4倍に増加しますが、その多くが夜間に生じるのです。

CPAP療法の導入により、交感神経の緊張も解除されます。難治性だった高血圧が正常化した事例もよく耳にします。

急激な血圧変動や、薬を飲んでも難治な高血圧で悩んでいる方は、睡眠時無呼吸症候群がないかどうか相談してみるのはいかがでしょうか。

学校が休みでしたので、子供さんでの流行は一休み。その分、大人で猛威を振るいました。

年末1週間のインフルエンザ患者数は、A型：358人、B型：245人。

年始1週間のインフルエンザ患者数は、A型：345人、B型：425人。

B型の患者数がA型を上回りました。1月としては異例のことです。

B型インフルエンザでは37℃前後しか症状が出ないこともありますが、感染力はA型に引けを取りません。

ちょっと風邪かな、と思ったらいちど迅速検査を受けてみるのがよいです。お年寄りのような免疫力の低い家族を持つ方、接客業の方は特に早めの受診をお勧めします。

年が明けてから、逆流性食道炎の患者さんが増えています。

逆流性食道炎に対して悪いのは、前かがみの姿勢と消化の悪い食事。

年末に大掃除を頑張って、正月にお節料理やお餅を食べて、胃の負担が表に出るのが今ということでしょう。

胃酸が上がってくると咳込みのような呼吸器症状につながることもあります。幸い、プロトンポンプ阻害剤のようなよく効く内服薬がありますので早めに受診されるのがよいです。

アメリカ糖尿病学会は2018年版の糖尿病診療ガイドラインを1月1日発行しました。

HbA1c　9%未満ではメトホルミン単剤療法

9-10%ではメトホルミン+追加薬

10%以上、血糖300以上、高血糖症状ありではインスリンと併用

と、メトホルミン内服の重要性は前回と同様です。

新しい糖尿病治療薬のSGLT2阻害剤の存在感が増しています。メトホルミンに追加する薬剤としても、内服としてはSGLT2阻害剤の2剤が推奨されていました。

個人的には国内で利用可能なSGLT2阻害剤の間に明確な優劣はないように感じています。心血管疾患をお持ちの方では、そのような病気の再発予防のデータが次々に出てきており目が離せません。

年明け以来、インフルエンザの患者さんが急増しています。

国立感染症研究所が５日発表した調査によると、全国の定点観測で1週間当たり患者数が12.87人と、自治体が注意報を発令する目安の10人を上回りました。去年より2週間早い流行です。。

今年の特徴は、A型とB型の両方が流行していることです。全国的にはA型が主流のようですが、高崎ではAとBが半々といった様子です。

例年は3月頃に流行して症状も軽いB型ですが、今年は39度以上の発熱を伴ってA型と見まがうような重い症状の方が多いです。

12月22日にも少し書きましたが、当院に勤務している看護師さんの中澤真弥さんが、秀和システム社より著書を出版されました。

【看護の現場ですぐに役立つ口腔ケアのキホン】

冒頭の文章から引用します。

口腔の清潔を保つことは、一般的に習慣化された当たり前の行為です。虫歯や歯周病予防はもちろんですが、口腔ケアはただ単に、口腔内のトラブルを予防すること、清潔にすることだけではありません。お話をすること、自分の口で食事を食べられることが、何よりも大切であり、生きがいでもあります。
(中略)
本書では、口腔ケアのキホンから症状に合わせたケア方法など、臨床の現場で役立つポイントが絞られ、簡潔にまとめられた実践書となっています。限られた時間のなかでも、口腔ケアを効率的に行い、持続することができるよう本書を活用していただけたら幸いです。
(引用終わり)

近年増えている誤嚥性肺炎も、元はといえば口腔内の雑菌が肺に侵入するために発生します。

口腔ケアをすることで肺炎を予防できるという論文は多数あります。看護師さん向けの本ですが、お年寄りを介護している方にも是非おススメです。

昨年末、禁煙外来にいらっしゃる患者さんが何人もいらっしゃいました。

禁煙するには踏ん切りが必要な方が多いですので、年の変わりに禁煙されたというわけです。

1月に禁煙を始めれば、治療期間12週間ですので年度替わりに禁煙外来も完了して区切りがよいですね。

この機会に禁煙外来はいかがでしょうか。

明けましておめでとうございます。

4月に開業して最初の1年が終わりました。

睡眠時無呼吸症候群の自宅検査など、他院で行っていない試みが多かったですがスタッフの習熟も進んでおり、スムーズな診療が行えていると思います。

高崎市のみならず、前橋、安中、富岡、藤岡、渋川、伊勢崎、太田、中之条、玉村、榛東といった近隣市町村の患者さんにも多数来院いただいております。12月は埼玉県、東京都から遠路はるばるお越しになった方もいらっしゃいました。

ご期待に沿えるよう全力で診療に当たっておりますし、これからもさらに努力していかないとなりません。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

睡眠時無呼吸症候群の中等症~重症の方では、マスクを装着して寝るCPAP療法が標準的治療です。

鼻だけ覆う小型マスクと、口と鼻を覆う大型マスクの成績を比較した論文がChest誌に発表されていました。

13の臨床試験の結果を解析して総合したメタアナリシスという形式。全部で4563の患者さんが組み込まれています。

傾向としては、

【CPAPの風圧】
鼻マスク　＜　口鼻マスク

【夜間の無呼吸回数】
鼻マスク　＜　口鼻マスク

【装着できた時間】
鼻マスク　＞　口鼻マスク

という結果でした。簡単にいうと、鼻マスクのほうが風圧が低いので装着できる時間が長く、そのため夜間の無呼吸を効果的に抑えられるといえるかもしれません。

12月17日~23日の1週間のインフルエンザ患者数の集計が出ました。

市内ではインフルエンザA型が239人、インフルエンザB型が95人と前週の2倍以上の発生になっています。

A型が多いのもさることながら、B型が例年より早い時期に流行しています。最悪の場合、ひと冬の間にAとBの2回も罹患することもありえますのでご注意ください。

八幡小学校、塚沢小学校で学級閉鎖がありました。年末休みに入り、子供同士の感染は減りますが人混みで大人同士の感染が増えやすいです。マスクをつけての外出をお勧めします。

アメリカ睡眠学会による、睡眠時無呼吸症候群の診療ガイドラインについて。非常に長文ですが、無料で閲覧ができます。

睡眠時無呼吸症候群の診断のためには、ポリソムノグラフィ(睡眠時ポリグラフィ)がスタンダード。
ポリソムノグラフィは器械を装着して睡眠中の呼吸や脳波、体位などを記録する検査です。
入院して行う施設が多いですが、当院では機械を装着してご自宅で検査が可能です。

ポリソムノグラフィについての推奨も行われています。
症状などから中等度または重度の閉塞性睡眠時無呼吸が疑われる成人に対して、ポリソムノグラフィーを行う（強い推奨）
ポリソムノグラフィーの結果が正常だったが睡眠時無呼吸の疑いが残る場合、2回目の検査を行う（弱い推奨）

2017年12月19日の産経ニュース。

群馬県内の２型糖尿病患者、薬の飲み残し全国ワースト８　「うっかり」４８．１％

製薬会社のイーライリリーが全国の2型糖尿病患者を対象に調査したところ、「残薬」があった人の割合は全国平均で35.8%。

それに対して群馬県では40.7%と上回り、都道府県別でワースト8位でした。

「ついうっかり忘れてしまう」人が48.1%と最多。
「外出の際に忘れる」37%、「食事が不規則でタイミングを逸してしまう」22%など。

飲み忘れないように気を付けていただくに越したことはないのですが、医療者側も飲みやすい薬を使ったり、1日に飲む回数を減らす処方をする努力が必要と思いました。

本日の午前は、インフルエンザの患者さんが2名いらっしゃいました。

A型、B型おひとりずつ。

市内は流行期に入った中、当院の地域は患者さんが出ていなかったのですが、ついにという感じです。

インフルエンザはうがいでは予防できず、ワクチンかマスクが必須です。

年末年始は人混みに出る機会が多いのでくれぐれもご自愛ください。

体力のないお年寄りや、受験生のいる家の方は今からでもワクチンを打っておいたほうがよいと思います。

日本人の死亡原因の3番目に多い肺炎。特に、高齢者では誤嚥性肺炎が危険です。

口の中の細菌が、唾や食物といっしょに気管、肺に垂れ込むことで肺炎が生じます。

誤嚥性肺炎の予防のためにはいくつかのアプローチがあります。

・肺炎球菌ワクチン
・嚥下の力を増すための体操
・口腔内の細菌を減らすための『口腔ケア』

ワクチンについては、誤嚥性肺炎の最大の原因菌は肺炎球菌ですので65歳以上の方には接種をお勧めします。

嚥下の力をつけるには、ツバキを飲み込むカラ嚥下などで筋力増強するのが有効です。

口腔内の細菌を減らすには、歯磨きなどの口腔ケアで清潔を保つのが大切です。

口腔ケアについては、当院の看護師である中澤真弥さんが『看護の現場ですぐに役立つ 口腔ケアのキホン (ナースのためのスキルアップノート)』を出版しました。

看護師さん向けの本ですが、誤嚥性肺炎のリスクの高い寝たきり高齢者を介護しているような方にもお勧めです。

今日は職員総出で午後に大掃除を行いました。

ワックスがけを毎年行っていますので、床がピカピカになりました。

今年も残り少ないですが、気持ちを新たに明日からも診療していきます。

小児では毎年、冬になるとRSウイルスによる呼吸器感染症が猛威を振るいます。

2歳までにほとんどのお子さんが罹患し、初めての感染では呼吸症状が重くなりやすいのが特徴です。

大人にとっても、楽観できる疾患ではありません。

喘息、COPDのような呼吸器疾患を持っている方では、お子さんから感染したRSウイルスにより重い呼吸器症状をきたすことがあります。

当院でも最近、RSウイルス感染症のお孫さんを看病した親御さん、おじいさんおばあさんが類似した症状で受診することが相次ぎました。

インフルエンザと違ってワクチンや薬もありませんので、マスクなどで感染予防を注意するしかありません。

高崎市医師会によるインフルエンザ発症状況の集計が更新されました。

12月10日~16日の一週間で、高崎市のインフルエンザ発症者は190人。毎週急速に増加しています。

学級閉鎖は新たに7クラス。

南八幡小学校
吉井西小学校から2クラス
乗附小学校から2クラス
新町第二小学校
箕郷東小学校

と、市内全域で流行が観測されています。

ダニなどのアレルゲンへの曝露は、感染症と並んで喘息の悪化リスクの一つです。

当院でも、喘息の患者さんにはなるべくダニ、カビ、ハウスダストを避けるよう指導しています。

アメリカ胸部学会の会誌であるAJRCCMで、ダニ防止の寝具カバーが小児喘息の発作回数を減らす効果が示されました。

ダニアレルギーを持つ小児喘息患者で、ダニ防止寝具カバーを使う群と使わない群を比較。

12カ月の観察機関で、喘息発作のため医療機関を受診した回数を比較したところ、

ダニ防止カバー使用群……123人中36人　29.3%
ダニ防止カバー不使用……118人中49人　41.5%

と有意な減少がみられました。

さらなる解析の結果、救急病院受診リスクはダニ防止カバー使用により45%の低下がみられ、有意な差でした。

ただし、調子を崩してステロイド内服を要する回数は減らなかったようです。『重い発作』を減らすという位置づけでしょうか。

なお、寝具に掃除機をかけるのも大事です。干したり叩いただけではダニの除去は困難です。

睡眠解析を行っている企業のニューロスペースが、インターネット上で『睡眠負債』についてアンケート調査を行った結果が報道されています。

同調査は11月28日～12月4日、20代～50代の男女846名を対象に行われました。

睡眠時間は7時間未満の方が67.6%。その結果、睡眠に関して不満な方は58%にのぼっています。特に夜勤のある方では約70%の方が睡眠に不満を持っています。

睡眠に満足している人では82.9%が仕事などに集中できていましたが、不満を持つ方では半分以下でした。

睡眠不足の原因は、帰宅時間の遅さが最多(31.6%)で、『寝ながらスマホ』が25.7%で続きました。

寝ながらスマホをしている人は69.7%もいました。これはブルーライトで脳を刺激して不眠につながりやすい。寝る前2時間はスマホ操作を控えるようにしましょう。

日本気象協会は、2018年のスギ花粉の飛散量の予測の第2報を発表しています。

群馬県では今年より飛散量がやや多い予想です。

飛散の開始は2月中旬頃と予想され、2月初めから花粉対策をするのが望ましいです。

舌下免疫療法を開始する場合は、花粉飛散時期を避ける必要がありますので年内から年明け早々までがタイムリミットとなりそうです。

アメリカ糖尿病学会とアメリカ糖尿病教育者協会が糖尿病に関する医学用語をまとめて、機関誌に発表しました。

糖尿病の患者さんは、病気を持っていることに対して負い目を感じていることがあります。その中で「生活習慣病」という言葉は患者さんを批判する意味合いが出てしまい、望ましくないと記述されています。

たしかに糖尿病の発症には生活因子以外にもさまざまな要因があります。患者さんを責めるようなことがなく診療するのが大事です。

高崎市内のインフルエンザ流行状況の続報です。

12月11日から、金古小学校、新町第二小学校、倉賀野小学校で新たに学級閉鎖が始まりました。

特に群馬町の金古小学校は1年生の学年閉鎖になっています。

A型インフルエンザの流行は前週と同じくらいですが、ここに来てB型インフルエンザも流行の兆しがあります。

B型では高熱にならずにインフルエンザとわかりにくいこともあります。無理をせず医療機関に受診するのがよいですね。

平成29年度の特定健診は平成29年12月25日（月）までです。
受診忘れのないよう早めのご利用を。
初診で受けることも可能です。
予約制ですので、027－344-2252に前日までにお問い合わせください。

2017年7月7日に開設したこのホームページも、昨日で訪問者数10000人を超えました。

最近は1日100アクセス以上いただいております。

院長の手作りですので、見栄えは他の医療機関様ほどではありません。

ただ、これからも見ていただけるように皆さんに役立つ情報を今後もコツコツ更新していきます。

平成29年(2017年)4月1日、西岡医院は内科、呼吸器内科として、ぜんそく、睡眠時無呼吸症候群、アレルギー疾患などもカバーする形でスタートを切りました。

平成元年(1989年)12月11日、前身である西岡内科胃腸科医院(院長は父の西岡利夫)が開業しました。今日はその28周年にあたります。

最近は、遠方からいらっしゃる患者さんも増えてきました。11月は市内はもとより安中市、榛東村、前橋市、渋川市、富岡市、伊勢崎市、玉村町、埼玉県本庄市の方が来院されております。遠くからわざわざ選んでいただけることを有難く思うとともに、それに見合う診療水準を維持するべく志を新たにしています。

父の理念である、地域に密着した医療と患者さんに向き合う丁寧な説明を受け継ぎつつ診療を続けていきたいと思います。

日本も含めて、高血圧の基準は140/90mmHgというのがこれまでの常識でした。

しかし、近年行われたSPRINT試験という研究で、さらに厳しい目標で降圧した方が心血管疾患を予防できるという知見が得られたことから、アメリカ心臓協会とアメリカ心臓病学会は2017年版のガイドラインで、高血圧の基準を130/80mmHgに見直しました。

この基準ではアメリカ国民の2人に1人が高血圧に当てはまるため大きな反響を呼んでいます。

とはいえ、全員が血圧の薬を飲むよういわれているわけではありません。

減塩食、節酒のような生活改善をこれまでより早期から始めるよう推奨されています。

薬物療法については、多くの場合で複数のクラスの薬剤を併用する必要があると指摘しています。

サイアザイド利尿薬が第一選択に挙げられているのは世界的な医療費抑制の流れでしょう。安いですから患者さんの負担軽減のために当院でも使う機会が増えている薬です。

『ふるえる』という症状だけが出る病気があります。

字を書くときに曲がってしまう、コップの水を飲むときにこぼしてしまう、編み物ができない、etc

本態性振戦という病気で、65歳以上の5-14%が持っているといわれています。

認知症になることはないですし、命にも関わらない。ですが、ふるえることで日常生活、社会生活に不便が生じてしまう。

交感神経が過敏になることが原因です。そのため、緊張するシチュエーションで悪化する方が多いです。

生活に不便がなければ放っておいても害はないのですが、支障が出るようなら交感神経の緊張を解くような内服治療を行います。

ふるえが出るほかの疾患には、パーキンソン病、甲状腺機能亢進症、薬の副作用などがあります。これらはふるえ以外に随伴する症状があり区別できます。

これらの疾患は治療を要するものですから、ふるえでお困りの方は診断をつけるために一度医療機関に相談されるのがよろしいかと思います。

イギリスの研究です。

80万人以上のデータについて、配偶者のいる方、未婚の方、死別した方の認知症発症リスクが解析されました。

配偶者のいる方が最も認知症が少なく、未婚の方では42%増、死別した方では20%増という結果でした。

未婚者では生活習慣が乱れがちなため、死別者ではストレスが増えることや話し相手がいなくなることが問題になります。

配偶者を亡くした方がいらっしゃった場合、お子さんをはじめとした周囲の方や、必要に応じて介護サービスなどのサポートが必要ですね。

道路工事の多い時期になりました。

当院の前を通る前橋安中線は、2017年12月～2018年1月に下水道の改修工事を行っております。

日中はやや渋滞しています。第一、第二駐車場には問題なく入れますが、ご来院の際は安全運転にご注意ください。

2017年12月は29日(金)午前中まで診療いたします。

29日(金)午後
30日(土)
31日(日)
1日(月)
2日(火)
3日(水)

まで休診です。よろしくお願いいたします。

11月26日から12月2日までの1週間で、インフルエンザ患者数は市内で113人。8割以上がA型です。

流行しているのは小学校低学年で、12月4日から倉賀野小学校、京ヶ島小学校、東部小学校で学級閉鎖がありました。

当院でも行っている呼気NO検査。気管支喘息で生じる気管の炎症を調べています。

慢性的に咳、ゼーゼー、息苦しさを自覚している方に対しては、吸入ステロイド薬療法が行われることが多いです。ただ、どれくらい効果が上がるか事前に予測するのが難しいという欠点がありました。

イギリスとシンガポールの多施設研究の結果がLancet Respir Med誌に掲載されました。

294人の患者さんにおいて、呼気NOの数値と、吸入ステロイド4週間を行ったときの自覚症状の改善のスコアを解析したところ、呼気NOが高いほど有効性は高かったということです。

呼気NOの高い方には咳喘息の患者さんが含まれているでしょうから、納得の結果です。

睡眠時無呼吸症候群の中等度から重度の方では、夜間にマスクを装着して空気圧をかけるCPAP療法がおこなわれます。

マスクをつけて寝るためには、装着で違和感が少ないに越したことはありません。

マスクの好みには個人差がありますので、それぞれの方に適したものを選ぶことになります。

最もポピュラーなのは、鼻マスク。

付けやすさと外れにくさが長所です。

時々、鼻マスクで装着時に違和感が出る方がいらっしゃいます。

そのような場合に、ピローマスクという鼻に挿入するタイプのものを選んでいます。

形がシンプルですね。頭に巻く部分は小さいので違和感が少ないです。

他には、口と鼻を両方覆うフルフェイスマスク、口だけ覆うマスクなどが使われることがあります。

導入したらそれでOKではなく、その後の付けごこちを追求するのがCPAP療法の重要な点ですね。

現在、吸入ステロイドは気管支喘息に対して用いられます。気管支拡張薬との合剤では、COPDにも有効です。

最近、吸入ステロイドにより改善した声帯ポリープの患者さんがいらっしゃいました。声のかすれが出現し、耳鼻咽喉科で声帯ポリープと診断されたものの持病のため手術できず。

炎症を抑える吸入ステロイド療法を行ったところ、1カ月半で声のかすれはすっかり改善して大変喜ばれていました。

声帯ポリープに対する吸入ステロイド療法は慣習的に行われています。エビデンスは限られており、確立した治療ではありません。自費診療になり、誰にでもお勧めできる治療とはいえません。

手術ができない事情のある方では行う価値があるかもしれません。

睡眠時無呼吸症候群の検査であるポリソムノグラフィは、11月中に予約が2週間待ちになりご不便をおかけしておりました。

現在、器械を複数台体制としております。

12月4日時点で、簡易検査は即日可能な日が9割程度。

簡易検査で睡眠時無呼吸症候群が疑われたときに行う精密検査も数日以内には可能になっております。

インフルエンザに対しては、抗ウイルス薬以外に漢方薬による治療が行われることがあります。

日本では麻黄湯が使われることがあり、抗ウイルス薬と同等の効果が出たという報告も散見されます。

コクランライブラリーに、海外での研究も含めた総説があります。

感冒胶囊、花清瘟のような中国の薬剤について、抗ウイルス薬に匹敵する症状改善効果がみられていますが、今のところ研究の規模が小さいため効果が確立しているとまでは言えないようです。

麻黄湯は確かに効く印象がありますね。元々は実証(頑健な方）に適している薬です。お年寄りでは胸焼けが出ることもあるので人を見極めて処方するようにしています。

11月28日~12月3日の西小学校に続いて、12月1日~5日の京ヶ島小学校でも学級閉鎖。

お孫さんが学校で感染して、おじいちゃんおばあちゃんに家でうつるのが重症化する典型的パターン。

家庭内の感染にも十分にお気を付けください。

高崎市では11月中旬時点では、倉賀野、山名など南方を中心にインフルエンザの発生がみられていました。

今週きた発生状況報告書をみると、並榎町、箕郷町など徐々に北部に感染が広がりつつあるようです。

昨夜は準夜診療所当番に出向いてまいりましたが、やはり北部の方でインフルエンザの方がいらっしゃいました。

ワクチン接種していても予防は完全ではありません。人混みではマスクなど予防を心がけてください。

高崎市では、65歳以上の方と60歳~64歳で疾病の基準を満たす方を対象にインフルエンザワクチンの助成が存在します。

当院の場合、通常では3500円のワクチンを1500円で接種可能となります。

例年は12月31日までで期間終了なのですが、今年はワクチンの製造の遅れが影響しているため期限が2018年1月30日まで延長されております。

1月接種だとさすがに遅めではありますが、打たないよりは予防になります。もちろん年内に打てれば最善ですね。

日本でインフルエンザワクチンを製造しているのは4社。

北里、化血研、阪大微研、デンカです。

そのうちの1社である阪大微研でインフルエンザワクチンの検定が通らなかったと報道がありました。

12月の全国の出荷量の減少につながると思われますが、現段階で影響の大きさは不明です。

11月29日時点では当院はワクチン在庫ありますが今後の見通しが依然として不透明です。流行期に入る前に一人でも多く予防できるとよいのですが。

オーソライズド・ジェネリック薬という言葉をお聞きになったことがありますか？

医薬品が発売されて所定の年数が経過すると、同じ成分の後発品が発売されます。これがジェネリック薬。

薬価が先発品よりも大幅に安いため、政府も導入を促しています。

ただ、有効成分が一緒ではあるもののそれ以外の製法や添加物などは先発品と異なるため、中には『有効成分は同じはずなのに効き目は少し劣る』ようなものもあり、院内採用は必ずしも多くありませんでした。

最近はその問題点を解決した、オーソライズド・ジェネリックがいくつか発売されています。

先発品と同じ工場で同じ工程で製造されているため、質的には先発品と全く同等で薬価だけ低い。

このほど、そのような薬剤を院内で導入いたしました。同じ質なら医療費が安いに越したことはありません。

禁煙に成功する人はどんな方？
そんな疑問について調べた研究が発表されました。

スウェーデンをはじめとする北欧7か国で、4536人の喫煙者に対して追跡調査が行われ、最終的に2564人が調査に回答しました。

禁煙に成功していた人は999人(39%)。

禁煙に成功する可能性が高かったのは、

・高齢者
・喫煙年数が少ない
・狭心症や心筋梗塞にかかった

という結果でした。
さすがに心筋梗塞にかかってまで喫煙を続ける人は少数派のようです。
余談ですが、以前勤務していた病院で救急搬送された心筋梗塞の患者さんの前で循環器内科の先生が
『タバコ止めますか、それとも死にますか』と言っていたのを思い出します……
生きるか死ぬかの思いをする前に禁煙に成功する方が一人でも増えることを願います。

尿酸値を低下させるためには、尿酸の摂取量を減らすか排出量を増やす必要があります。

摂取を減らすには肉類などを摂りすぎないことです。

では排出を増やすには？

尿酸は文字通り尿から出る酸。

尿がアルカリ性に傾くと、それに反応して排出が増えるのです。

したがって、海藻、野菜、きのこ、イモのような尿をアルカリ化する働きのある食物を積極的にとることで尿酸を下げる効果があります。

インフルエンザの定点観測は全国的に増加傾向。群馬では来週あたりに流行期入りする可能性があります。

毎年聞かれることが多い、インフルエンザ明けの出勤や登校について。

学校保健安全法では、『インフルエンザを発症した後5日を経過し、かつ解熱した後2日(保育所や幼稚園に通う幼児にあたっては解熱した後3日)を経過するまでは登校を控える』と定められています。病状により医師が感染のおそれがないと認めた場合はその限りではありません。

例えば、日曜日に解熱した場合を考えてみましょう。
解熱した次の月曜日、火曜日はまだ感染性があります。
登校が許されるのは水曜日からということになります。

成人では、吸入抗コリン薬のスピリーバは喘息に対する有効性が証明されています。

今回、6歳から11歳の小児についてスピリーバの有効性があるかどうか、17か国の92施設が参加して研究結果がJ Allergy Clin Immunol誌に報告されました。

401人の小児喘息患者さんが吸入ステロイドと吸入抗コリン薬を使用して呼吸機能の改善について観察。

3か月後の呼吸機能(1秒で吐き出せる空気の量)において有意な改善が見られたとのことです。

入院を要する発作が減るのか、日本人での有効性はどうなのかなどさらなる研究が待たれます。

厚生労働省から、インフルエンザの治療薬であるタミフルなどの服用時の注意が発表されました。
突然走り出す、窓から飛び降りるなどの異常行動は昨年タミフルで38件、リレンザで11件、イナビルで5件の計54件ありました。
インフルエンザの未成年患者がいる場合、家の窓や玄関に施錠するなどの対策が促されています。

インフルエンザ治療薬のタミフルとリレンザについては、解熱を早める効果は証明されていますが効果には限界もあります。
権威あるコクランレビューの2014年の記事ではその効果と副作用は、

・症状の改善までの期間が7日→6.3日に短縮
・入院を減らす効果は有意ではない
・インフルエンザの重篤な合併症の軽減も有意ではない
・嘔気、嘔吐の副作用
・精神的な副作用
・予防的投与によりインフルエンザ発症リスクが減少

といったところ。免疫力低下している方に限れば有益性はもっと増すかもしれません。

マスクなどの感染予防が大事というのが私の感想です。

若い女性に多い貧血。ビタミンB12の不足など特殊なものもありますが、多くは鉄分の不足が原因です。
月経が多いなど、慢性的な出血がそれに続きます。
これらは鉄剤で治療を行う『鉄欠乏性貧血』です。

検診などで指摘されて鉄剤を1カ月くらい飲むと、ヘモグロビンがとりあえず正常範囲にはなりますが、飲むのをやめるとすぐに元通りに低下してしまいがち。
これは体内の鉄分の貯蔵が回復していないことが原因です。

鉄剤を2-3カ月内服することで、まず血液の濃度である『ヘモグロビン』が回復します。
しかしこれを例えれば、財布の中にはお金があるけれど銀行口座はスッカラカンの状態。
口座のお金を表すのは『フェリチン』や『血清鉄』という項目です。
フェリチンまで回復させるには、さらに3カ月くらいの鉄剤内服が必要です。

したがって、鉄欠乏性貧血の十分な鉄剤内服期間は半年程度といえます。

治療後も、小魚など鉄分の豊富な食事を摂取しつつ数か月後に貧血の再燃がないかチェックしていくことが大事です。

ちなみに、鉄サビの味がして飲みにくい鉄剤ですがオレンジジュースと一緒だと飲みやすく吸収もよいです。
逆にコーヒー、お茶、牛乳などは鉄分の吸収が低下するため一緒に飲むのはお勧めできません。

非燃焼・加熱式タバコや電子タバコに対する日本呼吸器学会の見解が発表されています。
冒頭から引用します。

日本呼吸器学会は、非燃焼・加熱式タバコや電子タバコについて以下のように考えます。
１．非燃焼・加熱式タバコや電子タバコの使用は、健康に悪影響がもたらされる可能性がある。
２．非燃焼・加熱式タバコや電子タバコの使用者が呼出したエアロゾルは周囲に拡散するため、受動吸引による健康被害が生じる可能性がある。従来の燃焼式タバコと同様に、すべての飲食店やバーを含む公共の場所、公共交通機関での使用は認められない。

解説としては、ニコチンの吸入量などにおいて電子タバコは通常のタバコと同水準であり、大気中に放出するエアロゾルも多いので受動喫煙のリスクは存在するという認識が必要です。
実際に通常のタバコより喫煙での死亡者が減るのかどうか、など核心の部分は判明するまでに時間を要し、今後の研究が待たれます。

睡眠時無呼吸症候群の検査器械はこれまで1台で行っておりましたが、ご好評のため予約が2週間待ちの状態でした。

11月20日より簡易検査の器械を1台追加して運用を開始いたしました。これにより検査待ちが短縮し、最短で初診当日に検査が可能となります。

精密検査の場合はこれまで同様に、装着を医院で行う必要がありますが、簡易検査の場合はご自分で器械を装着することも可能です。

そのため、初診の日にそのまま器械をお渡しして検査を行うなど、皆様のご都合に合わせた弾力的な運用ができるようになります。

これを機に、お気軽にご相談いただければ幸いです。

11月13日の患者発生状況報告では、市内の1日当たり患者発生は2名程度でした。

高崎市医師会の集計による本日の報告では、1日当たり5名~7名程度の患者が発生しているようです。

ほとんどがインフルエンザA型で、南八幡小学校など市内の南部を中心に流行の兆しを見せています。

人混みではマスクをするなど、感染しないようご自愛ください。

喫煙で肺がんや食道がんが増えるのは有名ですが、お酒はどうなのでしょうか。

アメリカ臨床腫瘍学会が報告しています。

1日あたりアルコール50gを飲んでいる方はヘビードリンカーと定義されています。
日本酒なら2合、焼酎なら1合ちょっと、ワインならハーフボトル、ビールなら1リットルくらいでしょうか。
全く飲まない方と比較すると、

口腔、咽頭がん　5.13倍
喉頭がん　　　　2.65倍
食道がん　　　　4.95倍
肝臓がん　　　　2.07倍
大腸がん　　　　1.44倍

一方、ヘビードリンカーの3分の1くらいの飲酒ならがんの増加は無視できるレベルでした。

毎日日本酒2合はさすがに飲みすぎですね。休肝日を作りつつ、適度な量に抑えたいものです。

現在、高崎市の検診では公民館などに集まってレントゲン撮影をする『集団検診』が行われています。
効率的に撮影ができるという利点もありましたが、検診車のレントゲンの精度は必ずしも高くないというデメリットもありました。

来年度から、高崎市の胸部検診は『個別検診』になります。

当院を含めた各医療機関で撮影するため、一般的には画質の向上が見込まれます。

撮影した画像は、市内の呼吸器内科医が読影。私も一員として加わる予定です。

本日夕方は読影班の会合。微力ながら、少しでも検診精度を高めていきたいと思います。

毎月1回、群馬大学呼吸器アレルギー内科と県内市中病院の先生方とご一緒して論文の抄読会に参加しています。昨日も大学へ。

1つ目の論文はCOPD。ご自宅で使うマスク型人工呼吸器について。
肺機能が極度に低下して、体内に二酸化炭素が貯留している方が対象。酸素のみ吸入した場合と比較して、マスク型人工呼吸器を自宅で使用した場合に再入院までの期間が延びたという内容です。

2つ目の論文は間質性肺炎。間質性肺炎の急性増悪の際に、ピレスパの内服でその後の炎症反応の抑制ができたという内容です。

どちらも最重症患者さんに対して行う治療。これまでなら病院から出られなかった方が少しでも自宅に帰れる方法が確立されていくのは喜ばしいことですね。

毎年11月の第3週は、世界保健機関(WHO)による【世界抗菌薬啓発週間】です。
2017年は11月13日の週にあたります。

世の中の感染症の多くは、『細菌』と『ウイルス』が原因となって生じます。『真菌』、『原虫』、『寄生虫』のような一部の例外もあります。
このうち、抗菌薬の効果があるのは『細菌』による感染症のみ。そして、細菌の中でも薬の効きにくい菌を耐性菌と呼びます。

耐性菌は医療現場で大きな問題となっています。肺炎が治りにくくなったり、膀胱炎が慢性化したり。
WHOの推計では、30年後には耐性菌のために亡くなる方がガンで亡くなる方を上回ると予測されています。
耐性菌は、抗菌薬の乱用により生まれます。
抗菌薬の効かない『ウイルス』感染症で抗菌薬を飲んでいたりすると、体の中に耐性菌が出てくるのです。

ウイルス感染症の代表的なものは、いわゆる風邪です。
咳、痰、鼻水、ノドの痛みが同時にでるような、複数の場所にまたがって出る症状の場合はウイルスが多いですね。このような時に抗菌薬を飲んでも効果は出ず、下痢のような副作用のデメリットがあります。
使わずに済むときは使わないことで、将来の耐性菌を減らすことができます。

睡眠時無呼吸症候群に対して6カ月のCPAP療法の後に、臍部の皮下脂肪と内臓脂肪の量が減少したという報告があります。1999年に循環器領域のメジャーな医学雑誌であるCirculationに、京都大学の研究グループから発表されました。

22人の睡眠時無呼吸症候群の患者さんで、CTでCPAP療法前後の脂肪量を測定したところ、半年間で平均236 cm2から182cm2と、23%の低下がみられました。食欲増進ホルモンであるレプチンの分泌量を21人で解析したところ、半年間のCPAP療法後は低下していました。

睡眠時無呼吸症候群によって食欲増進ホルモンが増加して、悪循環になっている可能性が指摘できます。CPAP療法によって食欲も調節しつつ脂肪量を低下できる可能性が示唆されます。

ワクチン供給不足でご不便をおかけしています。
高崎市医師会は市内の各医院でのインフルエンザ患者発生状況を集計しています。

13日までの報告が届きました。市内では、1日あたり2-3人程度の患者さんが発生している状況です。
当院のある浜川町、長野小、長野郷中地区ではまだ患者さんは出ていないようです。

睡眠時無呼吸症候群の重症の方では、夜間のマスクを装着して陽圧をかけるCPAP療法が保険診療で行われます。
マスクを顔につけて寝るので、初めての方は不安に思われることがしばしば。

『うまくつけられるだろうか』
『つけたら寝られないんじゃないか』

当院では、
・付けはじめのうちはマスクの圧力を弱めて慣れたら徐々に調節する
・数日間だけ弱い睡眠導入薬を併用する
といったノウハウにより、不安のない導入ができるようサポートしています。

COPD(慢性閉塞性肺疾患)の治療に使われる吸入薬の成分は、主なもので3種類あります。

長時間作用型 吸入抗コリン薬 (略称：LAMA)
長時間作用型 吸入β刺激薬 (LABA)
吸入ステロイド薬 (ICS)

このうちICSはLAMAかLABAとの組み合わせでのみ使われています。

どれも有効性が確立している治療であり、様々な組み合わせで臨床現場で使われています。

咳や息切れの強い重症の方では、3種類をすべて使わざるを得ないケースもあります。

アメリカで、3剤を1つの吸入器にまとめた薬が最近発売になりました。日本でも数年のうちにはこのタイプの薬が登場すると予想します。
IMPACT試験という臨床試験データでも効果は良好ですし、確かに1回の吸入で治療できるので、利便性が高まることは間違いありません。
ただ、どうしても単剤や2剤治療より高額になるので、このような薬は本当に必要な方を見極めて使うという臨床医の判断が問われる薬だと銘じています。

当院はぜんそくやアレルギー性鼻炎の患者さんが多いため、中にはアトピー性皮膚炎も持っている方がいらっしゃいます。
群馬は乾燥する気候ですので、肌が荒れやすい時期です。そしてアトピーには乾燥は大敵。

ステロイド外用薬やプロトピックがアトピーの治療薬ですが、適切に保湿剤を処方することでこの時期を乗り切るようにしています。

アトピー性皮膚炎と喘息は関わりが深く、お互いの発症は密接に関連しています。このことについての論文もありますので別の機会に触れたいと思います。

毎年11月に、世界糖尿病デーが行われます。
今年は11月14日(火)がそれにあたります。

当日は全国各地で建物がライトアップされます。
観音様もこのとおり。

ほかにも高崎保健所の建物や、県外では東京駅の駅舎が青に染まります。
このようなイベントに並行した啓発活動によって、糖尿病の知識を広めることが狙いです。

公式ホームページはこちら。

群馬大学の糖尿病内分泌内科の先生方にご一緒して、勉強会に参加してまいりました。

糖尿病の治療薬は日進月歩であり、近年はSGLT2阻害薬が注目を浴びています。

尿の中に体内の糖分を排出することで血糖を下げるという効き目であり、体重減少効果が従来の薬よりもよいのが特徴です。

尿の量が増えるため、心臓に対する負担を軽減する効果を持つ、という内容の講演でした。

尿量が増えることは脱水症や膀胱炎とも表裏一体ですので、使うべき患者さんをしっかり見極めることが重要と考えます。

たばこ税は今後3年間で1本あたり3円の増税となるという予想が報道されました。
最近では、鳩山政権時代の2010年に1本あたり3.5円増税したのが記憶に新しいところです。東京大学社会科学研究所が2014年に、当時の喫煙者の行動についてまとめています。

2009年時点の男性喫煙者のうち、2011年までに禁煙したのは19%でした。
5人に1人が、値上げをきっかけに禁煙に成功したということです。

たばこ税は今後も下がるよりは上がる可能性の高い社会の状況ですから、これをきっかけに禁煙外来で健康に気を付けてみるのもいいかもしれません。

2014年にスギ花粉の舌下免疫療法が健康保険で認可されてから3年が経ちました。
今月号の日本アレルギー学会の学会誌に、三重県のゆたクリニックさんの治療成績が報告されています。

2014年から治療を行っている方112名では、舌下免疫療法を行わずに従来の薬物療法を行っていた方よりも有意に症状が軽かったとのこと。
その中でも花粉症の薬が全く必要なくなったくらい症状の改善した方(寛解率)は33%でした。
治療を中断する副作用は見られませんでした。

ゆたクリニックからのこれまでの報告では、花粉症の寛解率は　1年目　17%、2年目　26%、3年目　33%。
治療導入して間もなくから一定の効果はあるものの、年を追うごとに効果は増強していく傾向にあることがわかります。

花粉飛散時期には治療を始められませんので、冬のうちから対策しておかないとですね。

動くと息切れのあるような中等症以上のCOPDの方では吸入療法が必要で、肺の機能を保つことや発作の予防になります。
では軽症の方はどうでしょうか。
軽症のCOPDの方では咳や息切れのような症状はあまり自覚されず、呼吸機能検査を行って初めて診断がつきます。そのような方が吸入薬のスピリーバを2年間使ったところ、1秒で吐き出せる空気の量は吸入群でより低下が少なかったという結果でした。（1年あたり29±5 mL vs 51±6 mL、P＝0.006）。急性増悪発作を起こした方も吸入した群で半減しました。(0.27 vs. 0.50イベント/人年)。

COPDの初期から治療することで肺機能を高く保てるという結果でした。ただ、禁煙のほうがより効果はあるとは思います。

※※※※※※※※※※※※
【西岡医院】
内科、呼吸器内科
アレルギー診療
睡眠時無呼吸(自宅検査可能)
Tel　027－344-2252
群馬県高崎市浜川町1935
※※※※※※※※※※※※

睡眠医学の専門誌のSleep Medicine Reviewsに発表された京都大学からの論文では、睡眠時間が長すぎても短すぎても死亡率が高いとの結果でした。6から9時間が理想の睡眠時間ということです。

睡眠時無呼吸症候群のような睡眠疾患では、眠りの時間は充足していても質が悪化することで日常生活に影響が生じます。
睡眠ポリグラフィ検査を行うことで、睡眠の質、睡眠中の呼吸状態について総合的に検査可能です。

風邪の多い季節になりました。
ノド風邪で扁桃腺が腫れてしまうと、飲み込むのも大変。
早く治りたいのは誰しも思うこと。

イギリスの権威ある内科雑誌で発表された論文でステロイド剤の有効性が確認されていました。
ステロイド剤を1回だけ内服することで、半日くらい治るのが早まったそうです。
副作用は見られなかったということですので、有力な治療オプションと考えます。
※※※※※※※※※※※※
【西岡医院】
内科、呼吸器内科
アレルギー診療
睡眠時無呼吸(自宅検査可能)
Tel　027－344-2252
群馬県高崎市浜川町1935
※※※※※※※※※※※※

患者さんには、丁寧に説明して病気のことをわかりやすく知っていただくよう心がけています。
もちろん病気についてのお話をするのですが、聞いただけでは覚えていられない。
なので、病気についてのパンフレットをお渡ししながら説明するよう心がけています。
高血圧、糖尿病、ぜんそく、睡眠時無呼吸症候群……
他にも貧血、かぜ、胃炎などきりがありませんが、ただ話すだけよりも理解しやすいとご好評いただいています。

※※※※※※※※※※※※
【西岡医院】
内科、呼吸器内科
アレルギー診療
睡眠時無呼吸(自宅検査可能)
Tel　027－344-2252
群馬県高崎市浜川町1935
※※※※※※※※※※※※

連休の初日ですので、お出かけする方もいらっしゃると思います。
ついつい飲みすぎがちですが、これが睡眠時無呼吸の原因になります。

無呼吸の多くは、舌がノドの奥に睡眠中に落ち込んでふさがる『閉塞性無呼吸』というもの。
酔うとノドの筋肉の力が緩むので、無呼吸が普段より多く出るのです。いびきも同様。ご自愛ください。

※※※※※※※※※※※※
【西岡医院】
内科、呼吸器内科
アレルギー診療
睡眠時無呼吸(自宅検査可能)
Tel　027－344-2252
群馬県高崎市浜川町1935
※※※※※※※※※※※※

早朝に高血圧がある方は脳梗塞、心筋梗塞の発症率が高いことは以前から知られていました。
高血圧の患者さん519人を41か月間追跡した自治医大の調査では、起床後の最高血圧が夜間より55mmHg以上高かった方は脳卒中発生率が2.7倍増えたといいます。

高血圧の基準値は140/90ですが、普段は正常範囲でも瞬間的に180mmHgを超えてしまうことを血圧サージと呼びます。
緊張したり、カフェインを摂取したり、寒冷にさらされたり、喫煙したりすると血圧は上昇します。その人によって上昇するタイミングは異なりますが、朝に上がる方が多くモーニングサージといいます

朝の高血圧の治療には、よく使われるカルシウム阻害薬、ARBといった薬よりもβ阻害剤のような降圧薬が効果があります。
普段は血圧が高くないので気づかれていないことが多く、血圧計を自宅でも使い、血圧手帳で普段の状態を記録することで正しい診断につなげるのが大事です。

2型糖尿病の原因は様々です。

親が糖尿病だと子供も糖尿病になりやすい。このような遺伝因子は発症原因の半分を占めるといわれています。
生活習慣病としての、環境因子による発症が残りの半分です。
ごくまれに、膵臓がんが糖尿病のきっかけになることもありますので、急な発症のときは腫瘍マーカーをチェックしています。

民族的に、日本人は欧米人よりも2型糖尿病になりやすい傾向にあります。日本人の祖先は低栄養状態の時代が長く、低カロリーの穀物食中心でした。その結果として今の日本人は『燃費の良い』体をしているわけで、飽食の時代のカロリー過多が加わった結果、欧米人よりも人口当たりの2型糖尿病は1.5倍いるのです。

血糖値、HbA1cといった数値は定期的にチェックをお勧めします。なお40歳以上の国保の方は特定健診で糖尿病についても検査できます。

睡眠時無呼吸症候群の診断のためには、①簡易検査で睡眠中の呼吸状態を調べる、それで異常値であった方について②精密検査であるポリソムノグラフィで睡眠脳波を検査することで、診断を確定しつつ保険診療によるCPAP療法が可能になります。

ポリソムノグラフィを行っている医療機関が少なく、その中でも外来検査を行っている機関は非常に限られることから、睡眠時無呼吸症候群を診療している医院からの検査目的のご紹介をいただくことが増えてまいりました。ご紹介いただく際にスムーズにできるよう、ホームページ改訂いたしました。

もちろん、患者さんの直接の受診も受け付けております。

睡眠呼吸障害は認知機能の低下につながるという報告がアメリカでありました。
総計400万人以上のデータから、睡眠呼吸障害のある方はそうでない方と比べて認知障害が26%増加するそうです。

別の研究では、無呼吸のある方はない方よりも10年早く認知症が発症していました。(2015年　Neurology)

集中力や記憶力の低下は睡眠時無呼吸症候群でみられる症状ですが、長期的には認知症につながりやすいといえます。
適切な検査、治療により合併症の予防につとめねばなりません。

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夜が冷え込む季節になりました。
寒さのために電気毛布を使っている方もいらっしゃるかと思います。
体が温まって気持ち良いですが、意外な注意点があります。

普段の睡眠でも一晩でコップ一杯の汗をかきますが、電気毛布では発汗量が増えてしまいます。
夜中のうちに脱水になると、布団から出て冷たい空気に触れたときに脳梗塞や狭心症のような血管の病気になりやすいのです。
特に、もともと高血圧や高脂血症といわれている方では危険ですので、寝る前に水分補給したり、電気毛布を使う時間を短くすることをお勧めします。

風邪の予防にはうがい、手洗い、マスクが大事なのは皆さんご存知のことと思います。
うがいは薬を使うよりも水で時間を多め(20秒～)にするのがよいです。
多くの風邪ではその通りですが、インフルエンザに関しては手洗い、マスクは効くもののうがいは効果がありません。
厚生労働省も、今はインフルエンザ予防のポスターからうがいを削除しています。

これはウイルスの感染性によるものです。
通常の風邪ではウイルスがノドに付着してから感染が成立するまで数時間～数日かかるため、その間にうがいで洗い流せば予防できます。
インフルエンザではノドにウイルスが付着してわずか20分で感染が成立してしまうため、うがいが間に合わないのです。

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2017年のインフルエンザワクチンは10月13日(金)より接種開始いたしました。
接種をご希望の方は電話で予約をお願いいたします。
初診の際に接種を希望の場合は中学生以上の方に限ります。
受診歴のある方は中学生未満でも可能です。
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南半球は日本と季節が逆なので、8月ころにインフルエンザが流行します。
2017年は香港A型、B型の流行が確認されており、とくにオーストラリアでは過去50年間で最大の流行をみせており、400人以上の死者が出ています。
人的、経済的に関係の強いイギリスやシンガポールは戦々恐々としているようですが、今のところ日本では関心が高くありません。

ここ数年の流行はH1N1型のA型インフルエンザで、これは健康な方が重症になる危険があるものでしたが、オーストラリアで流行のH3N2型の特徴としては、『お年寄りや幼児など、免疫力の弱い方が重症になりやすい。』です。
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2017年のインフルエンザワクチンは10月13日(金)より接種開始いたしました。
接種をご希望の方は予約をお願いいたします。
ネット予約、電話予約可能です。
費用は税込3500円です。
初診の際に接種を希望の場合は中学生以上の方に限ります。
受診歴のある方は中学生未満でも可能です。
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気管支喘息の治療で重要なのは吸入薬ですが、子供さんやお年寄り、体が弱い方などで吸入がうまくできない方もいらっしゃいます。
元気な時は吸入器が使えている方も、喘息発作の時は吸う力が弱くなりがち。そんな時は、ネブライザーを使って気管支を広げる薬を吸入することで呼吸困難を和らげます。

当院ふくめて医療機関で用いることが多いのですが、小さいものなら購入してご自宅で使う方もいらっしゃいます。(いいものは3万円くらいであります)
当院では、通常の器具でしっかり吸入指導させていただいても難しいような場合にお勧めしています。

気管支喘息のある患者さんは、息が上がるような運動をした後に発作を起こしやすいことが知られています。
一方で、運動した時だけ喘息症状が出る方もいて、運動誘発喘息と呼びます。
呼吸回数が多いと気管の水分が喪失しやすく、また大気中のホコリなどを吸い込みやすいことが原因です。

治療としては通常の喘息と同じく吸入ステロイドが有効のほか、ロイコトリエン拮抗薬(モンテルカストなど)、気管支拡張薬の吸入を行うことが有効ですが、激しい運動の前にウォーミングアップを行うことで発作を減らせるという報告もあります。

肺と心臓は胸の中で隣り合う場所にあり、機能的にも密接にかかわっています。
肺炎にかかると心臓に負担がかかり、心不全を増すという研究結果があります。

カナダで、28000人を追跡したところ、肺炎にかかった方は10年以内に心不全を発症する危険が1.6倍に増していたそうです。
肺炎になりやすい方は喫煙など心臓にも負担になる習慣を持っていることも多く、予防に気を付けないといけませんね。

禁煙、肺炎球菌ワクチンなどが解決につながるかもしれません。

日本気象協会は今月、2018年のスギ花粉の飛散量予測を発表しました。2018年は、2017年と比較して関東甲信地方のスギ花粉が1.6倍に増加するという予想です。

ここ数年は花粉の飛散が少なかったため花粉症が軽めに済んでいましたが、来年は要注意です。

点鼻薬、抗アレルギー薬による対症療法や、アレルゲン免疫療法(舌下免疫療法)によるアレルギー体質の改善など対策を練っておくのがよいと思います。
アレルゲン免疫療法については、『花粉の時期になると始められない』という制約がありますので、行う場合は年内の開始がよいですね。

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睡眠時無呼吸症候群では心疾患の合併率が3倍、脳卒中が4倍に増加することがわかっています。特に心疾患は死亡につながりやすく、寿命を縮める原因となっています。

アメリカの研究で、糖尿病についても1.5倍に増加することがわかりました。

糖尿病、心疾患のない女性13万人のデータを解析したところ、睡眠困難の方では2型糖尿病が1.5倍に増加。特に、4つの睡眠の問題（睡眠困難、頻繁ないびき、6時間以下の睡眠、睡眠時無呼吸）をすべて満たすと2型糖尿病が4倍に増えました。

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月一回、群馬大学呼吸器アレルギー内科や県内の各病院の先生方と論文の抄読会が開催されています。
本日行ってまいりました。

今回は桐生厚生総合病院の先生が、Journal of Allergy and Clinical Immunologyという雑誌の基礎論文について教えてくださいました。
気管支喘息の病態についての基礎研究の論文です。臨床に即役に立つということではないのですが、病気の背景まで知識を持っておくことは大事です。
明日も勉強会(群馬気道疾患研究会)。群馬の呼吸器内科の医師はみんな勉強熱心なので、私もがんばらねば。

インフルエンザの流行シーズンは12月から3月。
ワクチンを打つと、だいたい2週間で免疫がつくと考えられています。
ワクチンの効果はおよそ5カ月続きます。

厚生労働省は、おそくとも12月前半までにはワクチン接種しておくことを推奨しています。
2回接種する場合は、10月と11月で接種するか11月のはじめと終わりに接種するのがよいです。
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2017年のインフルエンザワクチン接種行っています。
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費用は税込3500円です。
初診の際に接種を希望の場合は中学生以上の方に限ります。
受診歴のある方は中学生未満でも可能です。
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昨日いらっしゃった患者さんとの会話。
『先生、インフルエンザってどういう意味なんだい？』
『影響するって意味です。占星術とかの用語から来ているんでしたっけねえ。いつから言われているのかな…』

患者さんに聞かれたことはなんでも答えられるよう目指していますが、これは詳しく知らなかった。気になって調べてみました。

ラテン語のinfluentemが語源で16世紀のイタリアで名づけられたそうです。占星術用語で、『影響する、流れてくる』という意味です。
当時はウイルスという存在も知られていませんので、占星術師たちは天体の運行などが影響しておこる病気と考えました。18世紀にイギリスで流行した際に世界的に使用されるようになりました。
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インフルエンザ

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2017年のインフルエンザワクチンは10月13日(金)より接種開始いたしました。
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犬や猫などのペットを飼うことで、毛が空気中に舞ったりダニが増えたりすることで喘息に影響があります。
海外ではこの影響が特に重視されており、喘息の国際ガイドライン(GINA)ではペットを飼わないことが推奨されています。

日本の喘息ガイドラインでは扱いが大きくなく、人種差もあるのかもしれません。記載は以下のものだけです。

『イヌやネコに対する皮膚反応陽性者では、その飼育が増悪リスクとなることが報告されている。しかしながら、チリダニを低減させる室内環境改善の効果を検討したメタ解析では、喘息治療におけるダニ抗原コントロールの有用性は明らかでない。』

インフルエンザワクチンの接種後は、打った場所の腫れなどの副反応が出ることがあります。

・打った場所の発赤、腫れ
　なるべく冷やしてください。温めると腫れが強くなるので熱い風呂、飲酒、激しい運動は接種した日は控えてください。
　通常は2－3日以内に消失します。
　前に腫れたことのある方は、深めの場所に接種すると腫れにくいです。

・じんましん、アナフィラキシーなどは接種して数分で出るので、医院の待合室で症状が出ないか経過観察しています。
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インフルエンザ

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2017年のインフルエンザワクチンは10月13日(金)より接種開始いたしました。
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今週末は大規模商業施設の高崎オーパが開業して大賑わいを見せています。
風邪が流行しはじめている時期ですので、出かけてくる方は人混みで風邪をうつされないようにしないとなりません。

水うがいを念入りにするのが予防になるという論文があります。京都大学の川村教授の研究で、2005年に発表されました。

水うがいした群
ヨードうがい薬でうがいした群
何もしなかった群

では、水うがいで最も風邪を予防できたそうです。
方法は、クチュクチュうがい1回→ガラガラうがい1回→クチュクチュうがい1回の3回を行うというもの。
お出かけするかたは是非試してみてください。

NHKの連続テレビ小説で、主人公の兄が若くして喘息で亡くなったことが話題です。時代背景が明治時代で、喘息の薬もなく転地療法くらいだったころですね。
昨日は前橋市で昭和大学の田中先生、東京大学医科学研究所の中江先生をお招きしての気管支喘息についての勉強会が開催され、院長も参加してまいりました。

34歳以下での気管支喘息死亡の統計が興味深かったです。
年間に100万人あたりで、日本では

1991年…0.71人
2001年…0.25人
2011年…0.06人

吸入ステロイドの普及につれて、劇的に死亡者が減っているのがわかります。
一方で高齢者の喘息死はまだ多い。高齢の方でも吸入指導をしっかり行えば問題なく治療できることが多いですね。

インフルエンザワクチンの作成には鶏卵が使われます。では卵アレルギーの方は全く接種できないかというとそうではありません。
ワクチンにも卵白由来の成分が含まれますが、数ngとごく微量です。
添付文書では、鶏卵、鶏肉アレルギーの方は接種できるが要注意。ワクチン接種でアレルギーを起こした経験のある方は接種禁止とされています。
卵を食べても症状の出ないかたは特に心配ありません。

卵で重症のアレルギー(アナフィラキシー)を起こしたことのある方は、インフルエンザワクチン接種は不可能ではないものの、万一に備えて病院での接種が推奨されます。

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インフルエンザの検査キットは年々進歩しており、昨年までのキットも8分間で結果が出ていました。
今年からは、5分で判定できるようになりました。
感度は昨年までのものと変わりません。
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【ワクチンの効果について】
妊娠中のお母さんにとって、赤ちゃんは体内の異物です。赤ちゃんと共存するために、妊娠中は免疫機構に変化がおこり、インフルエンザをはじめとして感染症にかかりやすくなっています。
ワクチン接種の効果は、妊娠中でも妊娠していないときと変わらないことがわかっています。感染を完全に予防はできないものの重症化予防できます。
また、お母さんのワクチン免疫は赤ちゃんにも移行するため、新生児にもインフルエンザの免疫がつくというメリットがあります。

【安全性、副作用について】
インフルエンザワクチンは不活化ワクチンであり、生きたウイルスは全く含まれていません。ワクチンでインフルエンザにかかることはありません。妊婦のワクチンのデメリットは、注射部位の腫れやかゆみ、アレルギーです。特に卵アレルギーの方は難しいです。副反応の発生頻度は非妊娠時と同じです。
接種で流産、早産、奇形が増加する報告はありません。(感染症学会雑誌　2010年　山口ら)

ワクチン成分は母乳には出ないので授乳はワクチンを控える要因にはなりません。

産婦人科診療ガイドラインでは、妊婦のワクチン接種は重症化予防に最も有効であり、母体と胎児への影響は妊娠のどの期間でも極めて低いと述べています。

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「リウマチの薬を使っている」
「抗がん剤治療を受けている」
「糖尿病を持っている」
など、免疫力が低下している方は意外とよくいらっしゃいます。
ワクチンを打つことによる利益、不利益はどう変わるのでしょうか？

日本で使われているワクチンは生きているウイルスは含まれないため、ワクチンでインフルエンザにかかってしまうことはありません。

免疫力が弱い方はワクチンの効果が多少でにくいという報告はあります。しかしながら、万一インフルエンザに感染したときに重症化するリスクが大きいため、接種の利益は免疫正常者よりも高いと考えます。

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インフルエンザ

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インフルエンザワクチンの報道がありお問い合わせも増えておりますので、しばらく書いていきたいと思います。

インフルエンザワクチンは2015年からは、4価のワクチンになっています。
『4価』とはすなわち、タイプの違うウイルスを4種類防げるという意味です。
今シーズンのワクチンは、A型が2種類とB型が2種類。

ワクチンを打つとA型に効くのかB型に効くのかと聞かれることがありますが、正解は『どちらにも効果はある』ということですね。

2017年のインフルエンザワクチンは10月13日(金)より接種開始いたします。
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間質性肺炎にはなじみがない方が多いと思いますが、国内に万単位の患者さんがいる病気です。
肺が慢性的に硬くなる病気です。60歳以上に多く、動いたときの息切れや空咳が特徴です。喫煙歴のある方、粉塵を吸入する職業についていた方は要注意です。

進行してから発見されると経過が悪く、5年生存率が半分を切るという報告もあります。
初期段階では、髪を捻じったようなパチパチという音が聞こえます。これは背中の下のほうを聴診しなければまずわかりません。

現在は線維化の進行を抑える薬がいくつか開発されておりますので、初期に診断できれば以前よりも効果が上がるようになりました。
動いたときの息切れ、長続きする空咳は早期発見の糸口になるかもしれません。

体育の日ということで、長野地区でも町内会対抗の運動会でした。
院長も競走に出てきて、足にマメをこしらえてきました。

足のマメがつぶれたときは、表皮がむけてしまいます。この場合、表皮は無理にはがさないほうがよい。
皮の下にある真皮は敏感で感染にも弱いですので、流水でよく洗う必要があります。

消毒はほとんどの場合必要ありません。しっかり5分、水で流せばよいです。乾かないように絆創膏やガーゼで覆っておくとベストです。

花粉症の時期でないのに一年中鼻炎がある方の中には、ハウスダストアレルギーの方がいます。
ハウスダストアレルギーは、ほぼダニアレルギーです。

夏を越した布団にはダニの死がいや糞が多く、アレルギー性鼻炎のみならず喘息の悪化にもつながります。
この連休は幸い天候もよいので、布団を干すのにうってつけ。ただし、干すだけではダニは除去されませんので干した後に掃除機をじっくりかけてみてください。鼻炎が少しすっきりするかもしれません。

ハウスダスト(ダニ)アレルギーがそれでも強い場合は、点鼻薬や抗アレルギー薬で症状を抑えるか、アレルゲン免疫療法(舌下免疫療法)によりアレルギーそのものを軽減するのが有効です。

ある政党が花粉症ゼロを公約に掲げたようです。
スギ花粉症は社会の大きな負担になっているという主張は確かにそうですが、実現するには何が必要なのでしょう。

『アレルゲンを回避する』こと、『免疫を調節してアレルギーを発症しないようにする』ことの2通りがあります。

アレルゲンの回避のためには、スギを伐採し、花粉の少ないスギに植え替えていくことが行われています。
東京都は石原都知事時代から年間60ヘクタールずつ植え替えが進んでいるようですが、そのペースでも100年以上かかりそうです。

となると人間の免疫のほうをどうにかするのですが、現時点で花粉症そのものを改善する可能性があるのはアレルゲン免疫療法(舌下免疫療法)のみ。これを普及していくのが現実的かもしれません。

公約が守られればですが

日本人腎臓弱い「塩分とりすぎ、肥満注意」　日豪チーム
今日の新聞で報道されています。慈恵医大の腎臓・高血圧内科より。
血液中の老廃物をこしとって尿を作るネフロンの数は腎臓１個あたり約１００万個とされていたものの、実際は人種の差が大きいことがわかったという内容です。

元の論文を調べてみました。健康な方、高血圧の方、慢性腎障害の方を9人ずつ腎生検してネフロンの数を調べたところ、それぞれ64万個、39万個、27万個。病気があると減少するということでした。
欧米人は平均90万個あるため、健康な方でも日本人はネフロンが少ないです。

ちなみに腎機能低下がある患者さんでは、血圧の治療目標は130/80mmHgと、通常の140/90mmHgより厳しいため塩分制限が重要になります。
降圧薬としては、ARBやACEIというクラスの薬剤が推奨されています。

感染予防に気をつけている医者も、風邪をひくことは時々あります。
そのような時に何を使っているのでしょうか。強い抗生物質？

『葛根湯』が私のまわりでは一番人気です。妻(耳鼻咽喉科医)の風邪にも使います。次点は総合感冒薬の『PL顆粒』かな。

前提として、いわゆる『風邪』とは鼻水、のどの痛み、咳など体の複数の場所に症状を起こすもの。原因は多くの場合はウイルスです。
ウイルスの感染は重症にはなりにくいですが、一方で抗生物質は効果が出ないのです。

落語で、葛根湯医者というのがあります。
「頭が痛いんです。」
「葛根湯をお飲み。」
「腹が痛いんです。」
「葛根湯をお飲み。」
「付き添いで来ました。」
「退屈だろう。葛根湯やるから、お飲み。」

ここまでいくと極端ですが、風邪の、とくにひきはじめのときは葛根湯は体が温まってよいです。

禁煙補助薬のチャンピックスについて、副作用の懸念は少ないようです。

チャンピックスは健康保険で使用できる禁煙補助薬。3カ月の内服を行います。
心血管系や精神的な副作用があるかどうかがこれまで不明であったため、イギリスで検証が行われました。
イギリス国内で禁煙治療を受けた14350人のCOPD(肺気腫)患者さんについて半年間追跡が行われました。
心疾患、脳卒中、精神系（抑うつ、自傷など）の副作用が他の治療と比較されました。

結果としては、チャンピックスを受けた方においてはニコチンパッチなどのほかの禁煙治療を受けた方よりも、心不全リスク(ハザード比0.56, 95%信頼区間0.34 to 0.92)、抑うつリスク(ハザード比0.73, 95%信頼区間0.61 to 0.86)が減少していることがわかりました。

禁煙治療についての心配が一つ減ったということは喜ばしいです。
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睡眠時無呼吸症候群は国内に300万人の患者さんがいる疾患です。男性、女性をとわず潜んでいます。
この病気の原因は、のどの奥で空気の通り道がふさがってしまうことです。
ご年配の方では、のどの筋肉の力が低下しがちのため無呼吸はより生じやすくなっています。

無呼吸の検査で一定の重症度の場合は、寝るときにマスクを装着するCPAP療法が選択されます。効果はよく知られていますが、70歳以上の方についての情報はわずかでした。
2015年にERJに報告されたスペインでの研究では、重症の睡眠時無呼吸がある70歳以上の患者224人のCPAPの効果が調べられました。
CPAP療法を行った方では、生活の質、睡眠の質が圧倒的に改善していたほか、不安、うつ症状、認知機能まで大きく改善していました。

ご年配の方では、無呼吸で生じた認知機能の低下が見過ごされていることが多いようです。認知症と違って治療で改善する余地がありますので、しっかり診断をつけることが大事ですね。
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禁煙する目的は健康に長生きするため、というのはもちろんなのですが、金銭面のメリットも見過ごせません。
禁煙すればタバコ代が浮くのは当然なのですが、将来かかる医療費はどれくらい減るのか試算が存在することはあまり知られていません。

2010年に医療経済研究機構が行った推計によると、禁煙した年齢にもよりますが
男性では90万円～144万円
女性では58万円～90万円
も医療費で得をするということです。

医療費が必要な時点で、COPDや狭心症などの生活を制限する病気にかかってしまっているということですから禁煙は大事ですね。
健康保険で受けられる禁煙外来は当院でも行っておりますのでお気軽にご相談ください。
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気管支喘息の吸入療法は、アレルギーの炎症を抑えるステロイド薬が主役です。
しかし、ステロイド薬だけでは気管が狭くなることによる症状がよくなるのに時間がかかるのも事実。
そこで、症状が強い方では気管支拡張薬という成分も併せて使います。

気管支拡張薬の成分は、ベータ刺激薬といいます。気管を広げる以外に、交感神経を緊張させる傾向があります。ほとんどの方はなんともないのですが、敏感な方は胸がどきどきしたり手が震えたりすることもあります。

そのような敏感な方は以前は他の選択肢がなかったので吸入ステロイドだけ使って我慢しなくてはいけませんでしたが、最近では別の作用をする気管支拡張薬がありますので切り替えて使うことで症状を抑えることができます。

吸入抗コリン薬という薬です。現在も様々な研究が進んでおり、ベータ刺激薬と遜色ない効果を持っています。

※※※※※※※※※※※※
【西岡医院】
内科、呼吸器内科
アレルギー診療
睡眠時無呼吸(自宅検査可能)
Tel　027－344-2252
群馬県高崎市浜川町1935
※※※※※※※※※※※※

睡眠時無呼吸症候群の自宅検査の問い合わせが増えてきたため、ふと患者さんに理由を尋ねてみたところこんな答えが返ってきました。

『入院しなくてすむから検査は早く受けたかったけれど、機械を付けてから家に帰るのには暗くなってからのほうがいいからねえ。』

無呼吸検査(睡眠時ポリグラフィ)の簡易検査は、見た目はほとんど目立たないので問題ないのですが、精密検査では脳波測定までしっかり行います。
顔に4か所、頭に6か所のテープを張った状態になるので、帰り路に目立たないように10月になってからのほうがよい、ということでした。秋の夜長は検査には向いているのかもしれません。
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実りの秋を迎え、西岡医院の周りでは米の収穫が始まっています。
同時に、アレルギー性鼻炎や気管支喘息の方には悪い影響も出ている時期です。

これらの病気の方は、空気中の微粒子を吸い込むと炎症が悪化しやすい。稲刈りでは、稲の破砕された粉末が空気中を漂うため、それで発作を起こしてしまうのです。最近は野焼きが制限されたので以前よりはマシですが。

こんな時こそしっかり点鼻や吸入を続けてください。

喘息といえば何をおいても吸入ステロイドが治療の第一選択です。効果も高いし安全性も高いです。
しかしながら、吸入をしていても発作が出てしまう方も中にはいらっしゃいます。そういう場合はどうすればよいのでしょうか。

①吸入薬がしっかり使えているかどうか確認する
他の医療機関で吸入薬が出ているのに効かないから、ということで受診される方の場合、うまく吸入できていないことが最も多いです。
吸入デバイスは多くの種類があり、吸入の強さ、使用する時間帯は患者さんごとにベストの選択は異なります。
適した薬が出ていなかったり、吸入の手技指導を医療機関がしっかりできていないと効果が出ません。

②生活環境を整える
カビやハウスダストなど、環境のせいで喘息が悪化している場合があります。
環境を清潔にすることが早道です。

③内服薬を追加する
吸入はできているのに効かないという場合は内服を追加します。
例えばロイコトリエン拮抗薬という薬を追加することで喘息発作の回数が半分に減ったという方向があります。(コクランレビューより)

④分子標的治療薬、内視鏡治療
ほとんどの患者さんはこれまでの対応でよくなります。ごくまれにそれでも症状が続く方がいます。症状が出ている状態が長くて気管の構造の変化(リモデリング)が起こっていることも多いです。
昔は打つ手なしでしたが、現在は分子標的治療薬のように高額ながら効果のある治療があり、薬剤以外では内視鏡的に気管の壁を温熱で変性させる『気管支サーモプラスティ』があります。特殊な治療で、私が勤務していた群馬大学病院の呼吸器アレルギー内科が県内では唯一行っています。

花粉症と喘息は深い関係があります。喘息の患者さんの7割は花粉症を合併しているとも。
共通点として、どちらも『アレルギーの病気』です。そしてどちらも『気道(空気の通り道)の病気』でもあります。

同じ気道のアレルギー疾患のため、両方持っている方にはひとつながりの病気として治療することが求められます。
何しろ花粉症が悪化すると喘息も発作を起こすし、花粉症が抑えられると喘息も楽になることが多いです。

喘息がある方は、花粉の時期は我慢しないで点鼻ステロイドや抗アレルギー薬で症状を抑えたほうが喘息発作が出ないです。逆に喘息をしっかり治療しておくと花粉症のシーズンが軽くすみやすいのです。

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【西岡医院】
内科、呼吸器内科
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Tel　027－344-2252
群馬県高崎市浜川町1935
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妊娠中は、赤ちゃんに対する影響から使用できない薬が多いものです。
気管支喘息でも、続けたほうがよい薬と中止がよい薬が存在しますが、『吸入ステロイド薬は続けたほうがよい。止めるほうが赤ちゃんに悪い。』ということは強調したいと思います。

喘息を持っている妊婦さんのうち、
妊娠中に喘息が悪化する方が1/3
症状がかわらない方が1/3
症状がよくなる方が1/3
と言われています。
悪化する方は、妊娠期間の後半である5か月～臨月までが要注意。
妊娠中に喘息発作を起こしてしまうと、赤ちゃんに低酸素血症を起こし、流産や発育不全の危険を伴います。

吸入ステロイド、というと『ステロイドは何となく危なそうだから』とイメージされて中止を希望される方がいらっしゃいますが、吸入ステロイド薬の有効性、安全性は長年の実績、研究で示されており、むしろ使わないほうが発作のために赤ちゃんに有害であるといえます。

授乳中についても、吸入薬の成分が母乳中に出て赤ちゃんに影響を起こすことはまず心配しなくてよいと考えます。

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【西岡医院】
内科、呼吸器内科
アレルギー診療
睡眠時無呼吸(自宅検査可能)
Tel　027－344-2252
群馬県高崎市浜川町1935
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喘息はストレス、天候など色々な原因で症状が悪化してしまう病気。
実は、女性では月経でも症状が出やすくなることが知られています。

月経の前は体に水分がたまりやすく、気管もむくみが起きて狭くなりやすい時期。
さらに、炎症を起こす体内物質であるロイコトリエンも月経前に増加しやすいため発作になりやすいのです。

他の喘息と同様に吸入薬療法が基本ですが、月経前喘息の方ではロイコトリエン拮抗薬という内服薬を併用すると効くことが多いです。

喘息の吸入療法では、発作以外の日常に使うものの成分は3種類あります。
①吸入ステロイド(ICS)
②気管支拡張薬(LABA)
③気管支拡張薬(LAMA)

③LAMAは2017年現在はガイドライン上で①、②より優先度が低いため、実質的には①と②を使うわけです。

①ICSが基本の薬。それだけで症状がおさまらない方は、②LABAとの合剤を使うわけです。

合剤が各メーカーから発売されており、一度の吸入で済むので楽なため非常に多く使われています。
ただ、1カ月当たりの薬価では
ICSのみ…2000円前後
ICS＋LABA合剤…6000円～12000円前後

とかなりの差があります。

医師の指示に従わないといけませんが、症状が落ち着いていれば慎重に安い薬に切り替えられる場合があります。

人類の歴史の中で、昼間は活動して夜中は休むというリズムは遺伝子レベルで刻み込まれています。
しかし、現代社会ではシフト制勤務で夜間に活動しているような方も多く、日中の眠気に苦しむことになりがちです。
その結果、日中の活動の効率は悪くなり、ストレスの増加は生活習慣病を増やしてしまいます。

早朝や夜間のシフトに入っている方の5～10%が睡眠障害をきたしているといわれています。通常の睡眠薬などの効果は限定的です。海外では適応が通っている薬がありますが、日本ではナルコレプシーや睡眠時無呼吸症候群で使われています。

群馬大学の呼吸器・アレルギー内科では毎月定期的に医学論文を勉強する有志の会を開いており、院長も参加しています。
今回は公立富岡総合病院、桐生厚生総合病院の先生からの発表を拝聴。

一つ目の文献は難病のサルコイドーシスの診断方法について。

もう一つは、ジスロマックという抗生物質が気管支喘息の症状改善に役立つという論文。

医学は毎年発展し続けているため、生き残るためには勉強し続けないと。

ヒルドイドソフト軟膏は保湿剤です。
適応疾患としては、皮脂欠乏症、外傷(打撲、捻挫、挫傷)、血栓性静脈炎、血行障害に基づく疼痛と炎症などがあり重宝しています。

この薬じゃないと、とご指名の患者さんが多いため当院でも前から扱っています。
最近、後発薬がいくつか発売されました。これまで無かったスプレータイプの製剤が出たため、ヒルドイドソフト軟膏とあわせて揃えています。

下向きでも使える点と、暑い日はスーッとするのが利点です。

睡眠時無呼吸症候群で、AHI(一時間あたり呼吸が止まったり浅くなる回数)20回以上の場合、CPAP療法が保険診療で利用できます。
当院でも、ポリソムノグラフィ検査の結果で治療が必要であった場合はCPAPを導入しています。

そのCPAPですが、毎晩何回呼吸が浅くなったかを測定してくれる優れもの。他にもさまざまな有用なデータが蓄積されています。

以前は受診のたびに機械を持ち運びしてデータを見ていました。
その後はSDカード持参を経て、ついにインターネット経由で送信できるようになりました。
患者さんは手続きもいらず手ぶらですむので楽ですね。
風圧が強くて装着しづらければ風を弱め、風圧が不足していれば強化するという調節がより細やかにできるようになりました。
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秋病み、秋疫という別名を持つレプトスピラ病という感染症があります。私は2009年にひとり診たことがあります。
ネズミの泌尿器系に菌が感染しており、主に水回りで人に感染。数日～2週間程度の潜伏期間のあと、発熱、結膜充血、筋肉痛、黄疸などが出現します。

稀な疾患で、群馬県でも数年に一人くらいの発症です。逆に発症すると、診断がつかないこともあり危険です。

肺炎球菌ワクチンの定期接種は、予防接種法に基づいて市町村が行っています。
平成26年度から開始されましたが、今のところ平成30年度で終了の見込みです。

『いま65歳だけど、70歳のときでいいや』というような方がときどきいらっしゃいますが、5年後は公費助成がない可能性が高いです。(自費接種はできます)
定期接種の対象の方は以下の通りです。今一度ご確認ください。

・今までニューモバックスを接種したことのない方
・対象の年度に65歳、70歳、75歳、80歳、85歳、90歳、95歳、100歳になる方
・60歳以上65歳未満で、心臓、腎臓、呼吸器の機能またはヒト免疫不全ウイルスによる免疫障害のある方

※接種は予約にて承っております。インターネット初診受付、またはTel027－344-2252．

西岡医院の待合室には花が飾ってありますが、実はすべて造花です。
花はどうしてもカビが着いてしまいます。病院では、植物のお見舞いを断っているところもあります。

アスペルギルスというカビなどは、免疫力の低下した方の呼吸器に重篤な感染症を起こします。内科医院としてはこれだけは避けたいということで、造花を使っているのです。

気管支喘息は花粉症、天気が発作の危険因子です。
台風18号が非常に大きな勢力で接近しており、週末は喘息発作の方が増えると予想されます。(以前の記事)
疲労も喘息に悪いですから、無理せずお過ごしください。
吸入薬をしっかり使いつつ、呼吸困難があれば早めの医療機関受診が鉄則です。(以前の記事)
下は『衛星ひまわり』の15日14時50分の赤外写真。

昨日は血圧手帳について記しました。
さて、実際に血圧を測るときはどうするのがよいのでしょうか。

①血圧計のタイプ
手首で測るものよりも、上腕で測るもののほうが正確です。

②測定する時間
朝なら、起床後1時間以内、朝食前。
夜なら、就寝前。
どちらも、1－2分座って安静にしてから測定します。

③測定の注意点
測定バンドが心臓の高さになるように枕などで調整してください。
2回測定して、平均をとるのが理想です。

高血圧症は日本人の3人に1人が持つ病気です。
長い間、血圧が高い状態が続くと全身の動脈硬化が進み、脳や心臓の疾患を引き起こします。

ほかに病気の無い75歳未満の方で、健康診断などでの基準値は140/90mmHg。引っかかってしまって受診される方はよくいらっしゃいます。

当院では、高血圧の程度がひどくなければいきなり薬を飲むのではなく『血圧手帳』をお渡しし、ご自宅でつけていただくところから始めています。
それによって自分の体に対する理解も深まりますし、中には手帳をつけただけで血圧が正常化する方も。診察室で緊張して血圧があがる『白衣高血圧』の場合もありますし、生活に注意することで自然に血圧が下がることも期待できます。

それでも薬が必要な場合は、飲みやすい薬を、なるべく安価に、科学的根拠に基づいて処方するようにしています。

吸入薬は喘息の基本の薬です。製剤によって1日の吸入回数が異なります。複数回だと、忘れてしまうこともありがちです。

イタリアのミラノで『ヨーロッパ呼吸器学会』が行われています。
イギリスで行われた喘息の大規模な研究結果が報告され、Lancet誌に掲載されました。
1日1回1吸入というシンプルな吸入薬の『レルベア』が、他の治療よりも優れていたという内容です。

2012年から2016年にかけて4000人以上の患者さんが参加。レルベア、またはほかの吸入治療を受けました。
治療半年後に効果を判定したところ、効果があった人の割合、症状の重さの両方でレルベアが優れていたということです。

特に学校や仕事を行いながら喘息治療をしている方にとって、1日の吸入回数は重要な因子だと思います。
喘息は吸入を忘れないことが大事ですので、回数が少ないほうが無理なく治療できます。

当院に勤務している看護師の中澤さんが、NHKの『金曜イチから』「“人生100歳時代”あなたはどうする！？」に取り上げられます。
看護師として勤めながらライターもこなし、家庭では3人の子供を育ててフル回転しているスゴい方です。

西岡医院では家庭や副業を持ちながらの女性のキャリアを応援しています。中澤さん以外にも副業をこなしながら勤務している看護師さんがいらっしゃいます。

医院の内部も撮影されています。

番組ホームページhttp://www4.nhk.or.jp/ichikara/x/2017-09-15/21/28040/1503087/

9月9日、東京で行われた勉強会に参加してまいりました。
呼吸器/耳鼻科感染症治療に関する抗菌薬のUpToDate。肺炎、咽頭炎について琉球大の藤田教授など分野の第一人者の講演が聴けて有意義でした。
咽頭炎の患者さんは受診されることが多いため、日々の診療に役立てていきたいと思います。

睡眠時ポリグラフィを行った約400人を解析した研究が北欧で報告されました。(Kulkusら　Phys Mesur　Jul 2017)
睡眠中に生じた無呼吸による酸素飽和度低下は、男性よりも女性のほうが程度が大きかったという結果。酸素飽和度が下がればそれだけ血管や臓器に生じる負担は大きいため、治療を要する度合いも増すと考えます。
過去にも記事にしておりますが、女性は睡眠時無呼吸症候群が存在しても検査を受けていない方が多く適切な治療を受けていない傾向があります。
仕事や家庭の中心となっているために検査入院などができないことが原因でしょう。
精密検査(フル・ポリソムノグラフィ)が外来で実施できるため、当院では睡眠時無呼吸症候群の患者さんの男女比はほぼ半々です。
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COPD(慢性閉塞性肺疾患)は日本でも増加しており、2015年には国内で3万5775人が亡くなっています。
世界疾病負担研究という世界規模のデータベースで、その数字は全世界では320万人/年であることが判明。Lancet Respir Med誌に発表されました。COPDによる死亡者の増加は海外でも社会の大きな問題になっています。
PM2.5のような環境大気中の粒子状物質もリスクになっていましたが、やはり最大のリスクは喫煙であったことが合わせて報告されています。
喫煙中の方はなんとか禁煙にトライしていただくのがCOPDによる呼吸困難、死亡を避ける最良の方法です。

同時に行われた調査では喘息でも年間40万人が命を落としていることがわかりました。適切な吸入薬治療により防げたはずの死がまだこれだけあることは残念です。

50代、60代の女性患者さんに多いのですが、何カ月も場合によっては何年も『ノドの違和感』が続いている、ということで受診される方がいます。
他の医療機関で胃カメラ喉頭ファイバーをされても異常がない、ぜんそくの薬を出されたが効果がない、という共通点もあります。

東洋医学の用語で『咽中炙臠』(ノドの奥にあぶり肉が張り付いている感覚)と呼ばれるものがそれに一致します。
西洋医学の薬剤で効果がないときに、半夏厚朴湯や柴朴湯のような漢方薬を使って症状が改善した患者さんを何人か経験しています。

医学の奥深さの一例だと感じています。

帯状疱疹は水疱瘡ウイルスが起こす皮膚疾患です。
体の右側ないし左側に、帯のような横に長い皮疹を起こし、ヒリヒリとした痛みを伴います。

帯状疱疹が治ったあとも、痛みだけ後遺症として残ることがあります。とくに帯状疱疹の抗ウイルス治療が遅れると生じやすいとされます。

ヒリヒリする痛み
焼けるような痛み
電気がビリっと走るような痛み
触れただけで痛みが生じる
知覚低下して、触ってもわかりづらくなる
といった多彩な症状が知られています。

薬物治療としては、リリカやノイロトロピンといった薬が用いられますが、やはり痛みが遺残しないように、水ぶくれのある皮疹が出たら帯状疱疹を疑ってすぐ受診していただくのが最良と思います。

ブタクサ、ヨモギ、セイタカアワダチソウ…
秋の野原に必ずといってよいほど生えている草たちですが、これらはスギのように花粉症を引き起こします。

秋の花粉症も目のかゆみ、鼻のかゆみや鼻水を生じますが、春の花粉症ほど知られていないため『かぜかなあ』と過ごしている方もいるかもしれません。

抗アレルギー薬や点鼻薬はスギ花粉症と同様に効果がありますので、我慢せずに使ってしまうのもよいと思います。
スギにはアレルゲン免疫療法がありますが、秋の花粉症には今のところ根本的に解決する治療はありません。

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開封してから長い間、使い切らない小麦粉などを保管していませんか？
密閉が悪いとダニがわいてしまうため、それを使った料理でダニアレルギー、アナフィラキシーを起こす危険があります。

【症状】
食事を摂っている最中ないし食後みじかい間に発症します。
口やノドの違和感、じんましんが多いですが、呼吸困難、腹部症状、意識消失などアナフィラキシーが生じる場合もあります。

【治療】
他のアレルギーのときと同様に、抗アレルギー薬が用いられます。
アナフィラキシーをきたしている場合は、エピネフリンやステロイドの注射を行います。
さらに、その後に再発したときのために予防薬の『エピペン』を持っていただくことが多いです。

日常生活で注意できることは何でしょうか。
たとえ加熱しても、ダニのアレルギー性分は変化に乏しいため効果はありません。
食用粉は早めに使い切り、無理なら密閉容器に入れて冷蔵庫で保管するようにしましょう。

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9月3日(日)当番医終了いたしました。

急性胃腸炎(嘔吐下痢症)が非常に流行しております。接触による感染をしますので、感染しないように普段よりも注意して手洗いをしてください。

虫刺されもまだ多いようです。

夏になると厚生労働省によって、冬に接種するインフルエンザワクチンの型が決定されます。
今年は例年よりも型の決定が遅れたため、ワクチン生産量が昨年を下回る見込みであると報道されております。
感染症は予防が鉄則であり、接種者が限られるのは非常に残念なことです。

当院は世間でワクチンが一般的でなかった20年以上前から積極的に接種をお勧めしてまいりました。今年も一人でも多くの方が接種できるよう、ワクチンの確保に努めます。

9月27日(水)は研修のため1日休診いたします。
ご不便をおかけしますがご了承ください。

9月3日(日)　休日当番医です。
駐車場は約20台あります。
特殊な薬を要する方以外は内服、外用、吸入ともに院内処方です。
受診される方へ：アクセスについては以下のページをご参照ください。http://nishiokaclinic.sakura.ne.jp/access.html

7月10日の記事で、気管支喘息の画期的な検査である呼気NO(一酸化窒素)を導入したことについて扱いました。
長引く咳で苦しんでいる方の原因を確定すること、それにより適切な治療を行うことに大きな福音となっています。

ドイツの研究グループが医学雑誌『Thorax』に、検査の正確性について発表しています。(Thorax 2017 Feb;72(2):109-116.)
『呼気NOで引っかかったら喘息の診断でよさそうだ。引っかからない場合は喘息ではないかというと、症状と合わせての判断が必要だ』という結果でした。日々の印象としても妥当なところだと思います。

痛風の原因になる尿酸。『プリン体が悪い』ということはよく聞きますが、他のお酒はどうでしょうか。
ビールは酵母の中にプリン体があるため、他より多めです。ビール500mlに相当する飲酒量は、

ビール500ml
＝焼酎(原液)　半合
＝ウイスキー　60ml
＝ブランデー　60ml
＝日本酒　　　1合
＝ワイン　　　180ml

ただ、ワインに含まれるポリフェノールには尿酸の上昇を抑制する効果がありますので、上記の中ならワインが最も尿酸を上げにくいといえます。
もちろん、肝臓のためにはどんなお酒もほどほどに。

薬には相性、飲み合わせがあります。せっかくいい薬を処方されても、そのせいで効果がなかったらもったいない。
医師の間でも相性が見落とされることがあるようで、比較的多く見受けるのは、抗生物質のクラビットと便秘薬のマグミットを一緒に飲んでいるケース。

クラビットは肺炎でも治療できる強力な抗生物質ですが、マグミット(酸化マグネシウム)と同時に飲むと、体内に吸収される量が半分に落ちてしまいます。治る肺炎も治らないことだってあるかもしれません。

しかしご安心を。『2時間以上内服の時間を空ける』ことで、おおむね満足な効果を得られます。このように、ちょっとの工夫で病気をよりよくすることがあるため薬剤の性質を知ることが医師にとって大切だと思っています。

風邪の咳に対する治療はいろいろあるのですが、どれがよいのかは意外とあいまいです。今回、海外の医学雑誌のChestで薬物、薬物以外の治療について推奨の論文が出ました。

①風邪の咳には、市販薬の咳止め、風邪薬の使用はすすめない。
②成人では、風邪の咳に対してNSAIDs(ロキソニンなどの解熱鎮痛薬)をすすめない。
③小児（1-18歳）では、薬物ではデキストロメトルファン(メジコン)、薬物以外ではハチミツがよい。
　ただし1歳未満ではハチミツは禁。ボツリヌス菌の危険があるため。2歳未満ではメジコンは禁。
④小児（18歳未満）ではコデインを避ける。

というわけで、薬物ではメジコンが効くというデータが豊富であり、薬物以外ではハチミツがよいという結果でした。

喘息の発作は、急に出ることよりは『前駆症状』があることが多いです。
その時点で早めに対応することで、発作の重症化を防ぐことができます。

【発作の前駆症状】
・咳が出る
・痰が出る
・ノドがイガイガする
・動くと息苦しさを感じる

これらは発作治療薬を使う目安にもなります。
発作治療薬は『吸入気管支拡張薬』(メプチンエアー、サルタノールなど)です。
完全に発作になってしまうと効力が不十分になりやすく、発作のなりかけで最も効果を発揮します。

喘息発作の前駆症状が出たら早めに使用するのがよいです。それでも苦しい場合は我慢せずに受診しましょう。

糖尿病かどうか検査するには、血糖値だけが検査ではありません。

【糖尿病の診断について】
・尿糖検査
・血糖検査(空腹時、食後、ブドウ糖負荷試験)
・HbA1c
があります。

尿糖検査は、一番かんたんに調べられるのが利点です。精度が弱いので、採血によるさらなる診断が必要です。

血糖値は最も基本の検査です。空腹時と食後では基準値が異なります。

HbA1cは過去1－2カ月の血糖値の平均を反映します。検診でもおなじみですね。6.2%を超えると、内服治療も選択肢にはいってきます。

さらに専門的な検査になると、インスリンの分泌量や体内での効き具合を調べたり、糖尿病のタイプ(1型、2型)を分けたりします。

怖い合併症がないか、目の診察を受けていただいたり腎機能を測定するのも大事です。

御年輩の患者さんで、『寝つきが悪い』と受診される方がいらっしゃいます。
以前に『眠りのコツ』という記事でふれたような、夜中にブルーライトを避けるなどの対処法について十分にお話したうえで、不眠で生活に支障が出ているような場合には慎重に睡眠薬を処方しています。ただ、それにも注意点があります。

肺炎のリスクが増えてしまうのです。台湾のグループがそれについて研究した論文が、Chestに今月発表されました。

2002年から10年間にわたって、台湾の健康保険データベースを解析したところ、『ベンゾジアゼピン系睡眠薬』を内服していた方は入院を要する肺炎にかかるリスクが1.8倍も上昇していたのです。

当院では、御年輩の方ではなるべく『ベンゾジアゼピン系』以外の睡眠薬を処方するようにしています。

膝や腰の関節痛にグルコサミンは効くのでしょうか。各国で行われた研究をオランダの研究者がまとめた論文が発表されました。(Annals of the rheumatic diseases)

変形性膝関節症、変形性股関節症の患者さん達がグルコサミンを飲んだ効果は、残念ながら偽薬と比較して変わらなかったということがわかりました。
確かに関節の軟骨にはグルコサミンが含まれておりますが、グルコサミンを飲んでも胃腸で吸収されるときには分解されてしまうのでそのまま関節に届くわけではありません。効果がなかったというのもやむを得ないと思います。

変形性膝関節症、変形性股関節症の方は、無理な荷重を控えたり、鎮痛薬を飲んだりするほうが効果的でしょう。

長引く咳のうち、レントゲンや肺機能で異常がないのに8週間以上咳が続くことを『慢性咳嗽』とよびます。
呼吸器内科領域では決して珍しい病気ではないのですが、2カ月も咳が続くことの大変さは計り知れません。
慢性咳嗽の原因は多岐にわたり、治療法もそれぞれ異なります。主なものは

・咳喘息
・アトピー咳嗽
・感染後咳嗽
・副鼻腔気管支症候群
・逆流性食道炎
・薬剤副作用(主に血圧の薬の一部)
などです。

肺機能検査、呼気NO検査などを行いますが、薬を試しに使ってみて効果をみることもあります。
最も多いのは咳喘息。慢性咳嗽全体の半分を占めています。
夜横になった時の症状だったり、天気が悪いと悪化する症状だと要注意です。

COPD(肺気腫)は、喫煙などによって肺が破壊されて呼吸困難をきたす病気です。
禁煙が最大の予防であることは論を待ちませんが、他の生活習慣で予防できないのでしょうか。

スウェーデンの研究グループによれば、果物や野菜を十分とることで、COPDの発生が4割も減ったそうです。(Nov2016　Thorax)
その必要量は以下の通り。(下の図の、1つ分に相当)

もちろん血圧や高脂血症にも効果があります。

喘息を悪化させる原因には様々あります。タバコ、天気、感染症etc。
そんな中、意外と思われるかもしれませんが肥満も喘息に影響を及ぼします。

まず、喘息は『息を吐きだすのが苦しくなる病気』です。肥満があると、胸や横隔膜の呼吸筋の動きが邪魔されて苦しさが増しやすいです。さらに、お腹が膨れると肺が下から圧迫されることも一因です。

少し複雑な話をすると、肥満では喘息でみられる気管支の炎症が強まっているという報告がありますが詳細なことはまだ解明されていません。

不整脈の一種で心房細動というものがあります。
比較的、患者さんの多いタイプのものです。脈が飛んだり、動悸を感じる方もいますが無症状の方もいます。
この不整脈の問題としては、重症の脳梗塞のリスクになることが挙げられます。

心房細動があると、心臓の中の『左心房』という部分の血流がとどこおり、内部に血栓が生じます。何かの拍子にそれが飛んで、脳の血管に詰まると脳梗塞を発症します。困ったことに、心房細動由来の脳梗塞は半身不随をきたす重症型が多いです。

心房細動を持っている方でも特にどのような方が危険なのでしょうか。予測するスコアが存在します。

・心不全がある
・高血圧がある
・年齢が75歳以上
・糖尿病がある
・脳卒中、一過性脳虚血発作を起こしたことがある

以上の6項目のうち1つ満たすごとに、年間2%ずつリスクがあがります。脳卒中、TIAを起こした方は4%リスクがあがります。
例えば『75歳以上』かつ『脳卒中がある』方では、2%＋4%＝6%が1年間に脳梗塞を起こす確率になります。

その人その人の状態にもよりますが、年間リスクが4%以上あるようなら治療したほうがよいでしょう。血液をサラサラにする、抗凝固薬と呼ばれる薬が第一選択です。

肝臓は『沈黙の臓器』と言われています。ちょっとの障害では症状は出ないものの、いざ症状が出たときには回復が難しいところまで進んでいることからきています。
検診では受診者の3割に脂肪肝がみつかります。アルコールを飲まない方でも肝障害は起こり得、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)と呼びます。

放置した場合、肝硬変に至ると全身の浮腫、腹水、吐下血、肝性脳症の危険があることから、AST、ALTの異常を検診で指摘された場合は腹部エコーで肝臓の障害の程度をしっかり把握することが大事です。

弛緩性便秘とは腸の動きが悪くなったことによる便秘症で、女性やご高齢の方に多いです。
センナなど、腸の動きを活発にする便秘薬を用いるのですが効きすぎるとお腹がゴロゴロするのが困りもの。

大黄甘草湯はそのような便秘に用いる漢方です。腸を動かすダイオウと、動きすぎを防ぐカンゾウを配合したことで、効きすぎを防いでマイルドな効果になっています。昔の人の知恵を感じます。

壮年期以降の男性では、夜間の頻尿に苦しむ方がしばしばいます。夜中に何度もトイレに行くのはわずらわしいですし、睡眠が浅くなり他の病気を引き起こす危険もあります。

①前立腺肥大症
55歳以上の男性では5人に1人。
尿の勢いが弱くなり、残尿感があります。『もれそうで我慢できない』という強い尿意の割には出づらいです。
内服治療がメインですが、薬が効かない場合は手術が行われることもあります。

②過活動性膀胱
前立腺肥大症を含めて、『尿意切迫感』がおこる病気の総称です。
膀胱の動きを正常化させる内服治療を行います。

③睡眠時無呼吸症候群
意外と見過ごされがちですが、睡眠時に無呼吸があると夜間頻尿が生じます。
呼吸が苦しくて目が何度も覚めてしまい、トイレが近くなるのです。
これに対しては泌尿器的な治療は無効で、無呼吸の専門検査、専門治療を行っております。

そのほか、前立腺がん、膀胱がん、膀胱結石のような疾患がみつかることもあり、泌尿器科の医療機関に連携して治療しております。

パーキンソン病とはお年寄りに起こる神経難病で、日本に十数万人の患者さんがいます。
主な症状としては、歩く速度が遅くなり、歩幅が狭くなります。数年から十数年で慢性的に進行します。
遭遇することは多くはない病気ですが、内科にいらっしゃる患者さんの意外な症状から診断につながる事があります。

それは自律神経障害です。

パーキンソン病の患者さんの脳内では、神経伝達物質の『ドパミン』が減少しています。その影響で、自律神経もダメージを受けます。
そのため多くの方で便秘などの自律神経障害が出現するのです。
うつ病、便秘症、認知症などと診断されている高齢者にパーキンソン病が隠れていないか、医師は注意深く観察する必要があります。

帯状疱疹は体に帯状に水ぶくれが出る病気です。
ヘルペスというウイルスが原因になります。
ほとんどの方はもともと体内にヘルペスウイルスが潜んでおり、疲労、病気など免疫力が下がると突然牙をむきます。

体の左右どちらかにチクチクする痛みが生じ、数日するとその部分が赤くなります。
最初は皮膚症状がなくて痛みだけ出るため、診断が難しい病気ですが、なるべく早めに抗ウイルス薬を飲んだほうが痛みが後まで続きにくいため診断をつけることが大事です。最近は、高齢の方でも使いやすい治療薬も出てきております。

花粉症のある方は、果物の食物アレルギーも生じやすいというお話。

果物を食べた直後から、口の中がムズムズ、イガイガした経験はないでしょうか。
実は、花粉と食べ物の間には『交差アレルギー』といって、お互いのアレルギーがセットで出やすいという性質を持つ組み合わせがあります。
口腔アレルギー症候群や、花粉-食物アレルギー症候群などと呼ばれています。もし生じても、自然におさまることが多いですが、違和感が出ること自体が嫌なものです。

主な組み合わせとしては

スギ　　・・・ナス科　とくにトマト
ブタクサ・・・メロン、スイカ、キウリなど
シラカバ・・・リンゴ、桃、キウイなど多数

もしこのような症状がある場合は、血液検査や負荷試験などで診断をつけたうえで、食べ物からの除去療法が基本です。ごく軽症の場合は、加熱調理することで食べられることもあります。

睡眠時無呼吸症候群の治療では、重症の方にはCPAP療法が第一選択です。
ただ、検査の結果が軽症の方に対してはマウスピースを寝るときに装着するという治療がおこなわれます。
口の中のスペースを広げて、空気の通り道を確保する治療であり、アゴが小さめの方には特に高い効果が出ます。

歯科で直接作る場合は自費診療になりますが、無呼吸症候群の診断を受けている場合は紹介状を歯科に持参することで保険診療が適応されます。

夜中に足がつるのは嫌なものです。
暑い昼間に運動すると特に出やすくなります。

カルシウムやマグネシウムのような電解質が不足している場合は、補充療法が一番です。
特に原因がなくても足がつるときは、漢方薬の一種である芍薬甘草湯を寝る前に一服するとおさまることがあります。即効性もありますし、一日一回飲んでいるぶんには副作用も稀です。甘草を含む漢方薬をすでに飲んでいる方に限っては、ミネラルバランスを崩さないよう慎重に飲む必要があります。

西洋医学とは別の視点から治療の助けになる漢方薬。うまく組み合わせていきたいですね。

『肺結核』という病気の名前は誰しも聞いたことがあると思います。では、『非結核性抗酸菌症』はどうでしょうか。

【非結核性抗酸菌とは】
酸に強いことから抗酸菌と言われています。土や水など環境中に生息する菌で、吸い込むことで肺に感染します。
人から人には感染しません。したがって、結核と違って隔離は必要ありません。
呼吸器疾患(喘息、COPDなど)がある方や免疫力が低下している方は発症しやすいですが、健康な人、特に中年以降の女性にも感染します。

【症状】
弱毒菌のため、感染しても無症状の方が多いですが、進行すると咳・痰が出ます。さらに進めば血痰や呼吸困難も出現します。

【診断】
痰の検査で菌を検出します。3回程度、痰の検査を繰り返す場合もあります。

【治療】
最も多いアビウム、イントラセルラといったタイプには、3種類の抗生物質の内服治療を行います。
非常に薬が効きにくい菌であり、治療期間は1年以上に及ぶ場合があります。完治することはなかなか難しいです。
症状が無かったり軽い場合は、治療せずに経過をみます。進行があれば治療開始します。
一般的な内科では治療していないことが多く、当院をふくめて呼吸器内科に相談していただくのがよいです。

睡眠時無呼吸症候群の患者さんの3分の2は男性です。
一方で、『いびき』、『日中の眠気』のような症状があっても、女性は男性と比較して睡眠時無呼吸症候群の診断、治療を受けていない傾向があることがスウェーデンの調査でわかりました。

1999年～2012年にかけて、10854人のデータから分かったことは、睡眠呼吸障害の症状がある方のうち、
・睡眠時無呼吸症候群と診断されていたのは男性の25%、女性の14%
・睡眠時無呼吸症候群の治療を受けていたのは男性の17%、女性の11%
・CPAP療法(持続起動陽圧)を受けていたのは男性の6%、女性の3%