ダニなどのアレルゲンへの曝露は、感染症と並んで喘息の悪化リスクの一つです。

当院でも、喘息の患者さんにはなるべくダニ、カビ、ハウスダストを避けるよう指導しています。

アメリカ胸部学会の会誌であるAJRCCMで、ダニ防止の寝具カバーが小児喘息の発作回数を減らす効果が示されました。

ダニアレルギーを持つ小児喘息患者で、ダニ防止寝具カバーを使う群と使わない群を比較。

12カ月の観察機関で、喘息発作のため医療機関を受診した回数を比較したところ、

ダニ防止カバー使用群……123人中36人　29.3%
ダニ防止カバー不使用……118人中49人　41.5%

と有意な減少がみられました。

さらなる解析の結果、救急病院受診リスクはダニ防止カバー使用により45%の低下がみられ、有意な差でした。

ただし、調子を崩してステロイド内服を要する回数は減らなかったようです。『重い発作』を減らすという位置づけでしょうか。

なお、寝具に掃除機をかけるのも大事です。干したり叩いただけではダニの除去は困難です。