妊娠中の喘息治療:何を使うのが安全なのか
妊娠中は、赤ちゃんに対する影響から使用できない薬が多いものです。
気管支喘息でも、続けたほうがよい薬と中止がよい薬が存在しますが、『吸入ステロイド薬は続けたほうがよい。止めるほうが赤ちゃんに悪い。』ということは強調したいと思います。
喘息を持っている妊婦さんのうち、
妊娠中に喘息が悪化する方が1/3
症状がかわらない方が1/3
症状がよくなる方が1/3
と言われています。
悪化する方は、妊娠期間の後半である5か月~臨月までが要注意。
妊娠中に喘息発作を起こしてしまうと、赤ちゃんに低酸素血症を起こし、流産や発育不全の危険を伴います。
吸入ステロイド、というと『ステロイドは何となく危なそうだから』とイメージされて中止を希望される方がいらっしゃいますが、吸入ステロイド薬の有効性、安全性は長年の実績、研究で示されており、むしろ使わないほうが発作のために赤ちゃんに有害であるといえます。
授乳中についても、吸入薬の成分が母乳中に出て赤ちゃんに影響を起こすことはまず心配しなくてよいと考えます。
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