喘息の吸入療法を行っていても発作が出るとき

喘息といえば何をおいても吸入ステロイドが治療の第一選択です。効果も高いし安全性も高いです。
しかしながら、吸入をしていても発作が出てしまう方も中にはいらっしゃいます。そういう場合はどうすればよいのでしょうか。

①吸入薬がしっかり使えているかどうか確認する
他の医療機関で吸入薬が出ているのに効かないから、ということで受診される方の場合、うまく吸入できていないことが最も多いです。
吸入デバイスは多くの種類があり、吸入の強さ、使用する時間帯は患者さんごとにベストの選択は異なります。
適した薬が出ていなかったり、吸入の手技指導を医療機関がしっかりできていないと効果が出ません。

②生活環境を整える
カビやハウスダストなど、環境のせいで喘息が悪化している場合があります。
環境を清潔にすることが早道です。

③内服薬を追加する
吸入はできているのに効かないという場合は内服を追加します。
例えばロイコトリエン拮抗薬という薬を追加することで喘息発作の回数が半分に減ったという方向があります。(コクランレビューより)

④分子標的治療薬、内視鏡治療
ほとんどの患者さんはこれまでの対応でよくなります。ごくまれにそれでも症状が続く方がいます。症状が出ている状態が長くて気管の構造の変化(リモデリング)が起こっていることも多いです。
昔は打つ手なしでしたが、現在は分子標的治療薬のように高額ながら効果のある治療があり、薬剤以外では内視鏡的に気管の壁を温熱で変性させる『気管支サーモプラスティ』があります。特殊な治療で、私が勤務していた群馬大学病院の呼吸器アレルギー内科が県内では唯一行っています。

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【西岡医院】
内科、呼吸器内科
アレルギー診療
睡眠時無呼吸(自宅検査可能)
Tel 027-344-2252
群馬県高崎市浜川町1935
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2017年09月29日