睡眠時無呼吸症候群が起こす健康リスク

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、中等~重症で治療を要する人は国内で300万人、軽症の方を含めると2000万人の潜在患者がいる疾患です。リスクとしては2つに大別されます。

①日常生活のリスク
睡眠の質の低下により、日中の眠気、記憶力低下、性機能低下など日常生活の問題を引き起こします。夜間に頻繁に目が覚めるため、夜間頻尿と間違われる場合があります。前触れなく突然の眠気が出ることがあるため、SAS患者は健常者より約7倍交通事故が多かったというアメリカの調査があります(Findley et al , Am Rev Resp Dis 1988)

②将来のリスク
呼吸停止している間、血液中の酸素濃度は低下しています。交感神経の緊張も相まって、心血管系に負担をかけ、様々な生活習慣病を引き起こします。
糖尿病は1.5倍、高血圧は2倍、心疾患は3倍、脳血管障害は4倍に増加します。(Nieto JAMA 2000)(Mooe Chest 1996)(Bassetti Sleep 1999)(Punjabi Am J Epidemiol 2004)
特に心疾患による突然死リスクが大きく、SASを無治療の場合は10年間の死亡率が16%と報告されています。

何しろ自分が寝ているときの症状であり、自分では気が付かないため見過ごされている方がほとんどです。CPAP療法のような適切な治療により生命予後も健常者と同じになりますので、まずは検査で診断することが大切です。器械を装着して寝るだけでご自宅でできる検査ですので、ご相談いただければ幸いです。
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2017年07月03日