貧血の鉄剤治療の期間はどれくらい?

若い女性に多い貧血。ビタミンB12の不足など特殊なものもありますが、多くは鉄分の不足が原因です。
月経が多いなど、慢性的な出血がそれに続きます。
これらは鉄剤で治療を行う『鉄欠乏性貧血』です。

検診などで指摘されて鉄剤を1カ月くらい飲むと、ヘモグロビンがとりあえず正常範囲にはなりますが、飲むのをやめるとすぐに元通りに低下してしまいがち。
これは体内の鉄分の貯蔵が回復していないことが原因です。

鉄剤を2-3カ月内服することで、まず血液の濃度である『ヘモグロビン』が回復します。
しかしこれを例えれば、財布の中にはお金があるけれど銀行口座はスッカラカンの状態。
口座のお金を表すのは『フェリチン』や『血清鉄』という項目です。
フェリチンまで回復させるには、さらに3カ月くらいの鉄剤内服が必要です。

したがって、鉄欠乏性貧血の十分な鉄剤内服期間は半年程度といえます

治療後も、小魚など鉄分の豊富な食事を摂取しつつ数か月後に貧血の再燃がないかチェックしていくことが大事です。

ちなみに、鉄サビの味がして飲みにくい鉄剤ですがオレンジジュースと一緒だと飲みやすく吸収もよいです。
逆にコーヒー、お茶、牛乳などは鉄分の吸収が低下するため一緒に飲むのはお勧めできません。

2017年11月22日