妊娠中のインフルエンザの治療薬

インフルエンザはますます流行中。妊婦さんの患者さんも数人お見えになっています。

妊娠中は使う薬にいつも以上に注意しないといけません。

一方で母体が高熱に冒されるのを放置すれば赤ちゃんに悪影響があります。

日本産婦人科学会は、一般診療で用いられる抗インフルエンザ薬についていくつかコメントを過去に出しています。

〇タミフル、リレンザについて
2010年に【妊娠している婦人もしくは授乳中の婦人に対してのインフルエンザに対する対応Q&A】で触れています。いくつか抜粋すると

インフルエンザ感染が確認されたら、ただちにタミフル投与を考慮します。妊婦には、「発症後48時間以内のタミフル服用開始(確認検査結果を待たず)が重症化防止に重要」と伝えます。

多数の妊婦(推定で4万人程度)が抗インフルエンザ薬(タミフル、リレンザ)を服用しましたが、胎児に問題があったとの報告はあがってきていません。

〇イナビルについて
2014年に【抗インフルエンザ薬「イナビルR (ラニナミビル)」の妊婦への投与について】で触れています。結論部分を抜き出すと

本研究は大規模研究ではなく、また対照群も設定していないが、妊娠中のラニナミビル服用は妊娠予後に悪影響は見られなかったことを示した。

要するに、一般で使われている抗インフルエンザ薬は妊娠中でも使用可能です。私個人は、体内に吸収されないほうが胎児に安全な気がするので妊婦さんにはイナビルを処方することが多いです。

解熱剤についてはカロナール(アセトアミノフェン)だけが妊娠中でも使用可能という意見が多いです。アイスノンなどで体を冷やすクーリングで対応できれば理想的です。

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2018年01月17日